社会問題小説・評論板
- Re: 耐えて耐えて・・・ ( No.7 )
- 日時: 2011/11/25 15:55
- 名前: 音異羅 ◆XuYU1tsir. (ID: 4z3SNsbs)
悪魔
自分達のフロアに戻り、奈々と別れた
あたしは自分のクラス・・・1−5に向かう
扉は開いていたから、音を立てずに入ることが出来た
数人がこちらを見たが、特に気にすることもなくまた騒ぎ始めた
「おはよ------------!!」
一際大きい声がする
あたしは振り返った
そこには、息を切らしている同じ小学校の子がいた
「あ、おはよー」
「百夜、今日もギリギリじゃーん」
クラスメイトからの言葉に、彼女はアハハと笑う
あたしはため息をつき、特に興味を持ったわけでもなく、席に座って窓の外を眺める
「おはよう、藍那!」
あたしの前にカバンを置く音がした
顔をあげると、初季百夜(そめき ももや)が笑っていた
「・・・おはよう・・」
「もぅ、藍那は元気ないなーッ」
腰に手を当てて、いかにもわざとらしく顔をしかめる百夜
その様子がおかしくて、つい笑ってしまった
そんなあたしを見て、百夜も笑った
「ねぇねぇ、数学の宿題やってきた?」
「うん」
「じゃあさ、答え合わせしていい?確認みたいな」
あたしが答える前に、百夜は数学のノートを出していた
「1・・・・答えは43」
「2・・・答えは3,7キロ」
交互に答えを言っていく
「8・・・答えは6分の5」
「あ、そこあたし違うよ」
「え、うっそー!」
百夜があたしのノートを覗き込む
と、あたしの後ろから手がの伸びてきて、百夜のノートをとった
軽く声を上げる百夜
「あんた、間違ってるよ?ここは掛け算じゃーん」
「え?って、ノート返してくれないと分からないでしょ!」
あたしは振り返る
生唾を飲み込む
ゆっくりと、ゆっくりと振り返る
足が震えるのが分かる
頭の中で『怖い』という言葉が響く
「ぁ・・・」
あたしの頬を、冷や汗が伝う
その人はあたしを見て、ニッと笑った
「おはよーう。有影チャン♪」
そこには、人の姿をした悪魔___日野矢燐(ひのや りん)___がいた