社会問題小説・評論板

Re: 私が存在する理由 ( No.21 )
日時: 2011/12/13 21:34
名前: 不登校少女I. (ID: b1TZiT7s)


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人々は傷つけあい、そして自らを守って行くのです。
その中に時々…
"人に優しく自分に厳しい"「人」もいることを
忘れないでください。

今回は、そんな少女のお話を紹介します。




「ちょっと雪帆ぉ、お金…貸してくんない?」
「…え…でもこの前渡した分で全部—「は?」
呆気なく遮られた言葉の続きを、私は言えずに俯いた。
「じゃあ、あんたの秘密バラしちゃうよぉー?」
「いいから早く渡せって!」
周りの取り巻き達が強引に私のカバンを奪い取り中身を漁る。

「なぁんだ、入ってるんじゃーんっ。一万円」
お札を抜きとり、指先で挟みピラピラさせると
カバンを私の胸元に押し付け「ありがとねぇ」と
それだけ言って立ち去って行った。
「………っ」
大丈夫。後数か月の我慢なんだから。
少しの間だけ我慢すれば大丈夫。

私、中山 雪帆は、東中学校に通う中学3年生。

今受験シーズンに入る前というこの時期に、私は何をしているんだろう。
「…そうやって人を甘やかすからこうなってるんだよ」
背後から不意に声を掛けられ、反射的に振り返る。
「篠崎さ、ん…」
「分かってるの?もうすぐ受験前なんだよ。そんなんでいいの?」
「…あ、うん。でも…仕方ないよ。私が悪いんだもん」
そう、今この状況に置かれているのは私自身のせい。
私がいけないんだ。




早めの就寝にします;
おやすみなさい。