社会問題小説・評論板

Re: 暗闇の世界で、翼は溶けていった。 ※少し修正中。 ( No.60 )
日時: 2012/10/30 23:21
名前: 来夏 ◆HpxJ7yQkz. (ID: xwXeKUvt)


  episode 四之宮紘歌



 あんた達の言う事なんか、誰も信じないに決まってる。そう、今はあたし達の言う事だけを先生達は、信じてるのよ。
 殴った方が負けなのよ。

 ただ、次に椎名が言った事があたし達を固まらせた。


「先生達は、四之宮さん達の本性を見てないから信じられるんですよね。本当は、ただの悪魔なのに」


 その時の椎名の顔は、キレ顔だった。こちらを睨みつけながら——



「……君たちには関係のない事だろう!」
「関係あります! わたしは雛の友達です。友達が悪くないのに、罪をなすりつけられるなんて、見たくもないです!」


 榎本も叫ぶ。
 葵達はちっと舌打ちをしていた。さらに若林までもが言った。


「殴る理由を作ったヤツだって——悪いんじゃないんすか?」


 その瞬間、あたしの身体は固まった。何よ、それ、あたしが悪いっていうの?
 殴ったのはあっちなのよ? あたしは悪くない、あたしは——


「お願いします。ちゃんと、事実を調べてください」


 榎本と椎名、若林はそう言って頭を下げた。職員室の先生達は唖然としていたが。