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社会問題小説・評論板
- Re: 暗闇の世界で、翼は溶けていった。 ※少し修正中。 ( No.78 )
- 日時: 2013/07/02 17:48
- 名前: 来夏 ◆2ZBHn0dH/Y (ID: pHBCaraS)
あとでまた全部修正します…
episode 音原霞
連れて行かれた場所は、保健室だった。
保健室であたしは、救急箱がある机の近くにあった椅子に座らせられた。ちょうど向かい合わせとなる。矢上に右頬を手当てされていた。
保健室には先生が居たが、矢上の知らせで顔色を変えて急いで走って行った。
「……音原、大丈夫か?」
「……」
無言で首を縦に振りながら、矢上を見る。保健室まで連れ出してくれたけれど、息切れしていたあたしと違って、矢上は疲れていなかった。
「……何か色々起きそうだな……はぁ」
頭を抱えながらそう言った。
あたしは———何故か自然と呟いていた。
「———自分に返ってくるだけよ。学校も放置しているんだから」
「……音原……」
「した側は覚えてなくても、された側の心の傷は治る事は無い」
お父さんが言ってた。お母さんも、同じ事を言っていた。悲しそうに言っていたけど、それでも納得は出来た。
「音原、お前……どっちの味方だ?」
「……関係ない」
でも、何で変わってしまったんだろうか。
いつの間にか、あたしは人と関わってしまっている。
ふと、思う。あいつ等のいじめは、度を越えている。
って思ってしまうから、あたしは———虐められっこの味方だろうか。
「……音原? どっか痛い所はないか?」
「……ないわよ。矢上は?」
「俺は、ない。てか俺の名前、憶えてたんだな」
何でか覚えてる。何でだろうか?
「……覚えてたわよ」
「そうか……てか俺、教室の皆連れて逃げればよかったか」
そう言って頭を抱える矢上。
「……外に居たし、あたしが居たから仕方ないと思う」
「でも……」
「あの人達、仲違いになりそうだったし。いずれこうなるとは思った」
———本当どうなってしまうんだろうか。
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