社会問題小説・評論板
- Re: 暗闇の世界で、翼は溶けていった。 ※少し修正中。 ( No.89 )
- 日時: 2013/07/30 20:44
- 名前: 来夏 ◆2ZBHn0dH/Y (ID: pHBCaraS)
episode 鹿島龍太郎
具合が悪かったけど、結局学校へ来た。完全に遅刻だけど、仕方ない。
けど、授業中なのに校舎内はざわついていた。
「……あ、八神」
「鹿島君!」
階段を登り、教室がある二階の廊下を歩いていた時だった。
何でか二年生のほとんどが、廊下に出ていた。
そこで友達と話していた八神と、出くわした。
「鹿島君だ……!」
「仲が良いんだね、千沙…」
何か女の子二人が驚いていて、一人がきょとんとしていたけど、俺は気にしなかった。
「具合悪そうだけど、どうしたの?」
「あー……当たってる。ところで、今授業中だよな? 何でこうなって……」
八神は苦笑いを浮かべながら、答えてくれた。
「えっとね……四之宮さん達が喧嘩を起こしちゃって。四之宮さんとか、関わった人達は先生達に聞かれてる」
「え……」
喧嘩を起こした?
てかどんだけ凄い事になってるんだ。
頭が痛い中、俺は八神にまた聞いた。
「それって、教室で? みんなは?」
「うん。最初ドア閉じられちゃって、何も出来なかったんだけど……。千原さんと椎名さんと、榎本さんが突破してくれたらしいんだ」
———誰か怪我をしてしまったのか?
そう思った時、八神が心配そうに首をかしげていた。
「大丈夫かな……。何か教科書とかの投げ合いも起きてたから、泣いてたんだ、一部の子が」
「やっぱり……ありがと」
そう八神に返して、教室へ向かう。
教室前の窓ガラスは、やっぱり割れている。
俺はそんな教室に入った。
「……」
「龍太郎! 今日どうしたんだ?」
「具合悪かったけど、来たんだ。恭平は大丈夫か?」
恭平の声が少しだけ大きかった。いつもより。
もともと落ち着いているけども。
「俺は平気だ。今、自習中で二年生のほとんどはそうかも」
「隣のクラスは、何でそうなってるんだ?」
「先生達が、虐めグループとターゲットに話を聞いてるから」
そういう事か。
でも俺等も理由聞かれるのか? 多分聞かれるだろうけど。
頭痛のする頭を抑えながら、俺は自分の席へと向かった。
そして隣の席を見る。
「……工藤……」
明日、やっと復活する工藤はこの現実を見てどう思うんだろう。