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社会問題小説・評論板
- Re: Re:愛してる ( No.11 )
- 日時: 2012/03/02 22:50
- 名前: おかゆ (ID: uzWnL3hE)
「・・・・・・あ」
「まじで!?っしゃぁ!ありがと!」
そして一人ガッツポーズをしている。
「でもあんたなんか友達も多いし、居場所なんてどこにでもあるだろう」
「・・・・・まぁ、そうかもしれないけど・・・」
なんか居心地が悪いんだ。
彼が言ったのは私が予想していない言葉だった。
「・・・・俺、実を言うと父親が再婚しててさ。母親が血のつながってないってやつ。しかも再婚が中三のときで・・まだ『お母さん』って言いにくいっていうか・・家に帰るとたいていいるから気まずいんだ・・・それに、」
「もういい」
それ以上は聞かない。というより聞けない。
「お前、泣きそうな顔してるから」
「っ、」
さっきまで自分が泣きそう(てか泣いてた)だったのに。
なんで他人の気を使ってるんだ?
「・・・・まぁ家族関係のことなんてなんとなく私と似ている。それに友達のどうこうを私が聞いたって何の解決にもならない」
「・・・・それもそうだな」
そういってニカッと笑った。
「俺とお前は似てる」
「でも確実に違うところがある」
「どこ?」
似てる、なんて口先だけ。
決定的に違うのがある。
「——・・私は今いじめられている。嫌われている・・あんたはみんなに好かれている・・それが大きな違いだ」
「そうか」
そしたら彼は寂しそうに笑った。
「好かれてる・・ねぇ」
私はうなずいた。
「『お前の目にはそう見えてるのか』」
彼はつぶやいた。
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