社会問題小説・評論板

Re: Re:愛してる ( No.122 )
日時: 2013/04/03 22:41
名前: おかゆ (ID: 187ZDN1M)



さてさて。

月日は流れて夏休みも終わり、九月も中ごろまで来ていた。

私の学校では十月の初めに文化祭がある。
その文化祭に向けて皆は準備を進める。

私のクラスは『幻想的な世界』を主にステンドクラスなどを作る・・・らしい。


「まだ時間はあると思うなー。もうあと少ししかないんだぞ」

先生や各グループのリーダーがてきぱきと指示をする中、そんな状況でも皆の雰囲気はいつもと違ってた。



「あのっ・・伊藤君・・・これどうすればいいかな?」
「え?・・あー・・それはあっちに立てといて」
「わかった・・!!」

クラスの女の子が少し顔を赤らめながら伊藤としゃべっていた。

あぁ、そういえば伊藤モテるもんな。

そして伊藤は何食わぬ顔して作業をしている。

「市川さん・・・これ貼ってくれる?」
「あっ・・・うん」


私は相変わらず避けられていて。


それで一日が終わる。




「選択肢間違えたかなー」
「何の?」
「すべてよ。この高校に入ったときから。すべて」


いつもの資料室にいつもの二人が集まる。

「・・・・ううん。本当は中学校のころから間違ってたのかも」
「何が言いたいんだよ」
「生まれてきたことが間違いってわけじゃないけど・・・なんかさ、あのころこんな道選ばなかったらとか、考えたことない?」
「まぁ・・・・・ないわけじゃぁないけど・・」


伊藤は私が何を言いたいのか分からないと言ったように首を軽くかしげた。

「まぁ、私は普通に生きてきたつもりだったのね?だから私の人生に麗華が現れて理紗をいじめてさらに私と同じ高校で・・ってのは予想外っていうか・・」

自分でも何を言ってるのか解らなくなった。



でも、いつも思ってた。



なんでこんなんになっちゃったんだろうって。


「あーあ、」

本当はもっとほかの友達と仲良くしたかった。

休み時間にいろんな話しをして、

放課後皆で寄り道して、


「———・・麗華と会ったことが多分、私にとって最大の間違い」


伊藤は何か言いた気な顔をして・・・何も言わなかった。



「ところで伊藤はなにやってんの?」


さっきからダンボールをいろんな形にきっていた。


「あ?あー、クラスの出し物やつだよ。少しでも早く終わらせたいから授業中とか、家帰ってからとか、やってる」

まぁ授業中はめったにやらないんだけどな。


なんて呟きながらも手は動かしていた。



——・・伊藤はすごいなぁ。


皆に頼られて、皆が伊藤のこと好きで。


でも伊藤には居場所がないなんていってた。


それは愁って人とのことがいろいろあるらしいけど。


それでも伊藤には居場所を作ってくれる人がいる。



それは、多分、私も———・・。






そこまで考えたところでやめた。












「ねぇ・・・私も手伝おうか?」
「さんきゅ」



お互い何も言わずに作業を進めた。
意外にそれが、心地よかったり。