社会問題小説・評論板

Re: Re:愛してる ( No.125 )
日時: 2013/06/01 00:02
名前: おかゆ (ID: BYRZvQv9)



——・・気付いてしまったらもう、止められない?


「おはよう市川」
「おはよ」


気付いてしまって、自覚してしまって、一日過ぎた。

普通に挨拶して、普通に席について。

でも。


いつものように過ごそうとするたびに、伊藤のことを目で追ってしまう。



「(・・・・嘘でしょ・・?)」


まさか自分がこんな情けなくなってしまうなんて。


伊藤が友達と言葉を交わした。
伊藤が友達とじゃれあった。
伊藤が教科書を開きだした。

伊藤が——・・






「———っ!!!」

目が、あった。



どうしよう、ずっと見てた、見てたのばれた?



もう一度。今度はチラッと気付かれないように。



伊藤はなんでもないという風にまた友達と話していた。





「——・・クソ・・」


世の中の女子はこんなことでドキドキするんですね。



そりゃ、これが初めての恋というわけじゃないけど。
あくまでそれは小さいころの話だったわけで。



「・・・・・・もう、」


今まで嫌で嫌で仕方がなかったこの学校も。

希望が、光が、愛しさがあふれて見えてくるだけでこんなにも楽しくなるのか。

あぁもう嫌だなぁ。


でもそれ以上に、







(幸せだなぁ)



ついこぼれそうになる笑みを必死で抑える。


——・・自分が自分じゃなくなったようだ。気持ち悪い。




・・北村先生。


あなたはなんてことをしたんですか。





私の心に爆弾を落として引っ掻き回して。





当の本人は





きっと今頃自分の好きな小説でも読んでいるのでしょうね。