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社会問題小説・評論板
- Re: Re:愛してる ( No.35 )
- 日時: 2012/03/18 14:38
- 名前: おかゆ (ID: Xc5HYuu9)
「・・・じゃなー」
「あー・・うん。じゃぁ」
そしてさらに数分後、私達は帰ることにした。
「・・・・・なぁ、」
廊下を歩いている時、伊藤に呼び止められた。
「——・・俺たち、友達になることって出来ないのかな」
珍しく真剣な顔で言うので私は戸惑った。
「・・・・わかんないよ」
私は小さくつぶやく。
「・・・・でも・・まだ、無理」
私は思ったことを口にした。
「・・・・だよなー・・俺も今は無理だ」
彼の言いたいことがよく分からない。
「俺も・・・まだだなー・・」
彼は自分に言い聞かせるように言った。
「——・・俺もまだ早い」
「・・・・、」
***
——・・ありがとう
「・・・・・、」
伊藤にお礼を言った。すると一瞬驚いた顔をしてそれから、
綺麗に笑った。
「理紗・・・、」
いつものように一人で帰る。
誰もいない静寂な空気の中で小さく親友の名前をつぶやく。
「・・・・・っ、」
右目だけが涙を流した。
「・・・・、理紗」
もう一度。今度はもう少し大きな声で。
「・・・あ、」
やっぱり右目だけが涙を流した。
****
「聞いた?」
「あー、あれでしょ?」
「そうそう、市川さんのやつ」
「怖いよねー、本当かなー?」
次の日の朝、教室では異常な空気に包まれていた。
——・・私の噂。
本能的に私はその噂に耳を傾ける。
「—・・なんでも、西トイレで麗華達を殴ったらしいよ?」
「えーっ!嘘でしょ!?」
「しかも麗華達は何もやってないって。無抵抗な人間にホースで水かけたりしたんだって!!」
「うわー!市川さんやるねぇ」
・・・・・確かにモップで色々やったかもしれないけど、今の話は麗華達がやったことなんだけど・・
・・・と、そんなことは言わず一人で机にふせていた。
——・・今日は何もない。
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