社会問題小説・評論板

Re: Re:愛してる ( No.44 )
日時: 2012/04/08 23:29
名前: おかゆ (ID: r7gkQ/Tr)


「・・・・嘘・・」
「本当よ。だから同じ高校って聞いた時は驚いた。それと同時に喜びもした。次はこの子にしようかなって♪あんたったら、主犯が誰なのかも知らずに、今まであたし達と遊んだり、いじめられたりしてたって・・聞いただけでも笑えるでしょ?」


笑いを殺したような声が耳元で響く。


「——・・ねぇ?なんで、親友をいじめていた主犯が分からなかったの?なんであたし達と仲良くしてたの?・・理紗のこと、何も分かってなかったんじゃない?」
「・・・・っ!!!!」
「理紗、泣いてたよね?髪、切ったよね?制服ぼろぼろだったよね?それ、何でだか分かる?」



麗華はそれが快感だったかのように語りだす。



「——・・私達が、いじめてたからだよ」




「言うなっっっ!!!!」




廊下に響く声。全員がこちらを見た。




「・・・・え?瑠璃、どうしたの?」


『いつもの』麗華に戻る。




「・・・・お前か」
「えっ!?何?・・キャァッ!!!」



私は思わず麗華を押し倒す。
麗華の首に手をかける。


「・・瑠璃っ・・やめて・・」



麗華は目に涙をためる。これは演技。



「お前が理紗をっ・・!!!」
「あれ?でもさ、これが初めてじゃなかった気がする」
「・・?」
「あぁ、そうだ。あたしもちょっと今忘れてたんだけど。『瑠璃が一番最初に殴りかかってきた時』、あたし達はこの話をしてたんだ」
「・・・・・・っ」

そうだ。私は全てを思い出した。忘れていた記憶。



『瑠璃ってさぁ、実は中学校の頃親友がいたんだよ?』
『えぇ!?まじで?』
『それがさぁ、その子が瑠璃と正反対なのよ、性格が!!しかもあまりにもムカついたからさぁ』
『ムカついたから何ー?』
『・・・いじめちゃったんだよね』


「なーんか、忘れてたみたいだから・・でも思い出したんだ。良かったじゃん」
「・・・・っ、」
「——今この間みたいなことしたら・・あんたはどうなると思う?・・しゃべっただけの人間の首をしめた・・こういうの理不尽って言うんだよね?」
「・・・」



首をつかんでいた手をはなす。



「・・・・最低」


私はカバンを持って資料室へむかう。




急がないと。



「市川!!!!!」



急がないと。



「大丈夫?麗華」
「うん・・大丈夫だけど・・どうしちゃったのかな、瑠璃・・」



急がないと。






——————・・バンッッッ!!!




勢いよく扉を開けて床に座り込む。



急がないと。


「・・・・・ぅあ・・」



一気に流れ出す。


「ああぁあ」



この感情を、





「あぁあぁ・・ああぁあぁぁぁああああぁぁぁあ!!!!!!」



とめることが出来ないから。