社会問題小説・評論板

Re: Re:愛してる ( No.55 )
日時: 2012/04/28 00:11
名前: おかゆ (ID: 7TIhQdvp)




今日も愁はいじられていた。



加害者はそれがもはや『快楽』であるかのように。

被害者はそれがあたりまえかのようにたえ、

傍観者はそれが日常となっていて。

とにかく皆が狂ったかのように。


俺はクラスに居たくなかった。


 *   *   *  


「翔・・・!!」

今日も部活は休みだった。

「一緒に帰ろ」



・・本当に、女っぽい奴。少しうっとうしいとも思った。



「・・なぁ、」

とまらなかった。

「なんでお前はいつも」


イライラが、なぜか。


「俺ばっかに頼ってさ」


押さえきれなくて


「正直うっとうしいんだけど」


なんでだ・・・・?


「たまには自分で何とかしたらどうなんだ?」


嗚呼、俺馬鹿だ。


「一人になるのが嫌だったから俺と本当はつるんでたりしてな」

やっと止まった俺の口。愁を見ると絶望したような顔。

「・・翔どうしたんだ・・?」
「確かに・・そうかもしれないけど・・」
「でも俺は・・っそんなことおもってなか、たのに・・」
「お前、最低だ」
「俺のことそう思ってたのかよ・・」



愁の声が遠くの方で聞える。



「・・・・・分かった。お前がそう思ってるなら俺はもうお前に近付かない。悪かったな」



やっと届いた。

「・・は?」

「じゃぁな、翔」



一瞬だけ寂しそうな顔をしてそれからまたいつもの笑顔になった。

でもその笑顔は自嘲するような笑み。



「——・・」



愁は最後に俺に一つの言葉を言って俺より先に歩いた。



「・・・・んだよ」












("ありがとう"とか、)
(なんで言ったのか俺はまだ知らない)