社会問題小説・評論板

Re: Re:愛してる ( No.78 )
日時: 2012/07/26 16:27
名前: おかゆ (ID: uOIKSYv5)





「・・・・・そっか」

お母さんは話を一通り聞き終わると軽く伸びをした。

「・・・・まず、私が最初に言いたいことが一つ」
「うん、」



「——・・よくがんばったね」



そしてゆっくりと私の頭をなでた。



「・・・・・・・うんっ・・・・」



一番欲しかった言葉、なのかもしれないと思った。


「・・・・話してくれてありがとう」


お母さんは綺麗に笑った。


*    *    *    *


「・・・・・ありがとう、お母さん・・もう大丈夫」


あのあと、私にココアを出してくれてようやく落ち着いた。


「うん、どういたしまして」

お母さんは自分のココアを一口飲んで私に言った。


「・・・・・手伝おうか?」

真剣な目。
何を手伝うのか、何が言いたいのかは言わなくてもわかっていた。


「ううん。大丈夫。これは私の問題だから」
「・・そう」

そして悲しそうに笑った。


「ねぇ、瑠璃。世の中には嫌なことから逃げるなって言う人もいるけど、お母さんはどうしてもつらくて嫌なことがあったら全力で逃げていいと思うの」








「助けを呼びたかったら大声で呼びなさい。瑠璃は一人じゃないからね」








お母さんは綺麗に笑った。その声が心地よくて。

私はもっと頑張れる。改めて思った。





「大丈夫よ、瑠璃にはもう友達がいるはずだから。理紗ちゃん以外にね」



『いるんでしょう?』と問いかけた。

「・・・・・、」



『俺と友達になろう!!』


突然あの言葉が頭をよぎった。


始めは訳がわからなかった。
でも今はすごく、嬉しかった言葉。




「うん、いるよ。できたんだ」




とても大切な、私を助けてくれた恩人が。









(ありがとう、私なんかに友達だといってくれて。)