社会問題小説・評論板

Re: Re:愛してる ( No.96 )
日時: 2012/10/20 01:16
名前: おかゆ (ID: lt5Nu10v)



そして伊藤はうざいくらいに私に絡んできた。

「おー、何読んでんの?る・・・る、ルービックキューブの・・・本か?」
「は?何それ」


「今日は暑いよな!!る・・・・、る、ルンルン気分になるよな・・・?」
「・・何それ」


「るーっ・・・・・・るるるっるー・・」
「だから何それ」

伊藤がおかしい。それはやっぱり思っているのは私だけではないようで。


「伊藤今日どうした?」
「おい、伊藤が今日おかしいぞ」
「やたら市川さんに絡んでないか・・?」


さすがに変なうわさまでは流れなかったが注目が伊藤から私に移ろうとしていた。


「さすがに伊藤が市川さんのことを好きなんてないだろ」
「じゃぁあれは何?」
「さぁ・・?」
「付き合ってんのかな?」
「いや、ない」


共通点も接点もない私と伊藤。
それが今日突然、しかも伊藤から私にということで皆がこれ以上になくざわついていた。

聞くに聞けない状態。

そしてどんどん集まってくる視線。


私はそれに耐えられなくなった。


「もうさ、伊藤そろそろやめたら?うっとうしい」
「いや、だって・・俺」


学校が終わり、いつもの部屋に伊藤が入った瞬間に言った一言。


「何でそこまで名前呼びにこだわるの?」
「市川と仲良くなりたいんだよ」
「私と仲良くなって何のメリットがあるの」
「メリットとかそんなのどうでもいいだろ!?だいたいお前はなんでいつもそんな風にしか考えれないんだよ!!」
「・・・・・っ、私だって好きでこんなことになったわけじゃないの!!伊藤が急に私なんかに話しかけてくるから絶対なんかあるとしか思えなくてっ・・それでっ・・」


あ、どうしよう。


言い出したらどんどんとまらなく——・・・


「・・・・・もう、いい。私先帰る」

乱暴にカバンを持って部屋から出る。


「・・・・・馬鹿じゃないの?」

最後に放った一言。



伊藤の顔が歪んだ。




「・・・・・・、・・・・っ!!!!?」


その瞬間、我に返った。






だが時すでに遅く。


もう扉を閉めた後だった。





「———っ、」








(何でいつもこうなるんだ・・・、)