社会問題小説・評論板
- Re: お嬢様に虐められて虐めましょう。【企画】 ( No.102 )
- 日時: 2012/09/27 17:24
- 名前: 黒猫ミシェル (ID: 7jcCv.R/)
「麗華様、明日私の家でパティーをやりますのよ…」
「興味ありませんわ」
「ご、ごめんなさい」
恐る恐る麗華様に話しかける恵子さん。
そんな恵子さんには目もくれず、麗華様はただ一言口を動かす。
ただの一言なのに、何故あんなにも迫力があるのだろうか。
可哀想に恵子さんは、目に涙を浮かべて教室を出て行ってしまった。
そしてやはり、麗華様は恵子さんを一度も見なかった。
「麗華様!!私の家で今夜パティーを開くんですのよ!!来て下さるわよね!!」
「わたくしが?そんな貧相なパティー…見に行く価値もないですわ」
「なっッ//」
恵子さんの次に意気揚々とパティーに誘ったのが、佳菜子さん。
自分が断られるなど、微塵も考えていなかったのだろう。
さっきの恵子さんよりも酷い扱いに、顔を赤くして体を震わせている。
そんな佳菜子さんをチラリとだけ一瞥し、冷笑を浴びせる。
「何ですの?まさか、わたくしと彼方が釣り合うとでも思いまして?思い込みも甚だしいですわ」
「わ、私の家柄では不足ですの!?」
「彼方の家柄…あら?思い出せませんわ。たいした事ないんじゃなくて?…ぉほほ」
いつもは勝気な笑顔を浮かべる佳菜子さんの顔は、今や情けなく青ざめている。
今にも泣き出しそうで、でも泣く事をプライドが許さない。
そんな佳菜子さんの心情を聡く見抜いた麗華様は、とどめの一言を言った。
「汚らわしい」
「ーっ」
その後佳菜子さんは、抑えていた涙を流しながら走っていってしまった。
その顔は醜くぐしゃぐしゃに歪んでいて…鼻水も垂れていた。
お金持ちのお嬢様は、打たれ弱い。
怒られた事も、叩かれた事も、侮辱された事も一度もない。
そんな箱入りのお姫様が、ある日『汚らわしい』何て言われたら。
一般人じゃ想像もつかない傷を心に追うのだろう。
「わたくしは考え事をしているんですの。…邪魔しないで下さる?」
「…」
「…」
誰も、口を開かなかった。
否、開く事が出来なかった。
麗華から放たれる圧力が、威圧が…そうさせなかった。
この時多分皆は、聖花さんの存在の大きさを感じたと思う。