社会問題小説・評論板

Re: お嬢様に虐められて虐めましょう。【自分投票】 ( No.136 )
日時: 2013/01/05 16:39
名前: 黒猫ミシェル (ID: uLhjJdVj)

麗華様があんなことをされているのに、父さんは止めに入らない。
私はソワソワと父さんの裾を掴んだ。

「…パパ、はやくしないとっ」

「静かに」

「な、なんでビデオなんか・・・」

「証拠だよ。あの子達を訴える為のね」

「パパ…」

私は見た。
ビデオを握っている父さんの手の節が、力を込め過ぎて白くなっているのを。

「…」

「…ごめんなさい」

私はそっと呟いた。
もし私があの場に居れば、何かが変わったのだろうか?
麗華様にあんな顔をさせることはなかったのだろうか?
きっと、何も変わらなかった。
虐める対象が一人から二人に増えただけ。

「花の言うとおりだよー」

「ホント!!」

「だよねぇ〜?麗華何て、可愛くもないしぃ?」

「花の方が何倍も可愛いよね!!」

「まぁねぇ」

何を言っているの?
麗華様の方が何倍も、ずっと綺麗だ。

「そうだぁ〜」

「何?」

「これから麗華はぁ〜花たちの奴隷ってことにしよ♪」

奴隷?
麗華様は奴隷じゃない。

「いいね、それ」

「でしょぉ〜?」

「ホラ、奴隷の麗華ちゃん?ご主人様の靴、舐めなさいよ!!」

「きゃぁ〜うっけるぅ〜」

ゲシゲシと麗華様の頭を踏みつける上履きはとても汚くて。
とても綺麗な麗華様には相応しくない。
この悪臭も、湿った灰色のタイルも、周りの女の子たちも。

「ねぇ、針でさぁ〜彫ってみる?」

「え…」

「花、それは流石に…」

「良いじゃん、ね?」

ニコリと微笑んで麗華様の腕を掴む。
どこから取り出したのか、安全ピンがその手に握られていた。

「うぅ〜ん。あ、花様ってほろ♪」

「やめてぇぇぇッ!!」

「麗華様!!」

麗華様の叫びと同時に、父さんがその子を押さえつける。
私はただその場で…。
父さんに立ち上がらせてもらった麗華様が、私に気付いた。

「麻衣…」

「ご無事で、したか?」

「———!!」

私は思っていたことと違うことを言った。
麗華様に、父さんが頭を下げた。

「麗華様!!申し訳ありませんっ」

「石原さん?」

「今日の事はお父様にご報告致します故」

「駄目」