社会問題小説・評論板

Re: お嬢様に虐められて虐めましょう。【自分投票】 ( No.137 )
日時: 2013/01/13 13:20
名前: 黒猫ミシェル (ID: lyw636O3)

真っ直ぐに父さんを見つめる瞳は、私を見ていなかった。

「お父様には、言っては駄目」

「しかし…」

答えに戸惑う父さん。

「良いの。…わたくし、馬鹿だったのだわ」

「…」

「石原さん、車をだして」

父さんは『嫌』とは言えずに、黙って頭を垂れた。
車を出しに向かう父さん。
残ったのは麗華様と、…私。

「麗華…様」

「わたくしね、勝手に麻衣と約束していたの。今日はどんな酷いことをされても、泣かないって。麻衣との約束だったから、…わたくし、守ったわ。破りたくなかったから…」

「……」

「わたくしだけだったのね。…親友だと思っていたの。将来は主人と召使いだけど…それでも、親友になれるんだと、思っていたわ。麻衣のことが、大好きだったっ!!」

麗華様のすすり泣く声が、静かな教室に響く。

「麻衣が笑っているのを見ると、嫌な学校だって我慢できたわ!!怒った顔も、泣いた顔も、全部ひっくるめて大好きだった!!麻衣が、わたくしの心の支えだったっ!!…麻衣だけは…麻衣だけは、わたくしのこと分かってくれていて…そう、思っていたのに…」

「…っ」

「わたくしだけだった…」

「…れいか」

きっと、麗華様が私を睨んだ。