社会問題小説・評論板

Re: お嬢様に虐められて虐めましょう。【自分投票】 ( No.147 )
日時: 2013/03/07 21:51
名前: 黒猫ミシェル (ID: GbhM/jTP)

「失礼します、お母様」

「…失礼します」

シンプルにキチリと整理された、ゆかりの性格を表す部屋。
そこにニコニコした笑顔の優奈と、怯えた風な聖花が入室する。

「優奈ちゃん、そこの椅子に座って」

「はい、お母様」

「…」

「聖花さん?」

「はい…?…っ」

黒色の椅子に無音で腰掛けた聖花に、ゆかりの平手打ちが飛んだ。
ゆかりの手形がはっきり付いた顔を、すっかりあかぎれてしまった手でそっと抑える。

「私が許可する前に座らない」

「すみません…」

そんな聖花を鼻で笑った後、優奈は甘えた顔でゆかりを見上げた。

「お母様、それでお話って何なの?」

「ああ、それはね、優奈ちゃん」

スラリとした長い足を組み替え、赤いフレームの眼鏡をあげる。

「麗華さんのペット計画についてよ」

「まぁ!!」

「…!!」

優奈は目を丸くし口に手をあて、聖花は身体を強張らせる。

「お母様?」

「なあに、優奈ちゃん」

「確かに、麗華…さんを、お母様のペットにするのは賛成だけど…」

「だけど?」

「そんな簡単にあの麗華さんを出来るの?」

ニヤリと、真っ赤な唇が弧をかいた。

「私よ?計画は順々。もう私の"子供"を溶け込ませてるの」

「まぁ!!」

また手を口にあてる。

「ビックリした?でもね、それだけじゃ足りないの。もっとたくさんの駒が必要」

「駒?」

怪訝な顔をした優奈に、優しく微笑みかける。

「そう。例えば…優奈ちゃんとかね」

「私!?」

「あ、あと聖花さんも」

「…え。…私?」

微笑んだまま、ゆかりは電話を手にとった。