社会問題小説・評論板

Re: お嬢様に虐められて虐めましょう。【自分投票】 ( No.173 )
日時: 2013/07/05 20:56
名前: 黒猫ミシェル (ID: IcK/upD1)

石原に学校まで送ってもらい、廊下を歩いている時。
前に特待生が歩いているのが見えた。

「少しお止まりなさいそこの特待生」

「何か用?」

「用って程でもありませんわ」

「じゃぁ話しかけてこないでよ」

その言葉に、チクリと胸が痛んだ気がした。
気のせいだろうとわたくしは話す。

「貴女、お父様の誕生日には何を…その…」

「なに?」

恥ずかしい。

ふと、そんな感情がわたくしを支配する。
口からなかなか言葉が出てこない。
こんな気持ちは初めてで。

「だから、貴女は…、お父様のた、誕生日に…」

「うん」

黙って聞いてくれる事が嬉しいと感じた。

「何を…あげていらっしゃる…の?」

「何をあげてるか?」

「そうですわ」

特待生が目をまん丸にして驚いた。
その表情にさらに恥ずかしさが込み上げて来て。

「さっさとおっしゃいこの愚民!」

「…それが人にモノを頼む態度なわけ?」

言いたい言葉と違う言葉が出てくる。
不機嫌にわたくしを睨む特待生に、心臓がギュッと握られたように痛くなった。

「そんなのどうでも良いですわ!さっさとお言いになってっ」

「あんた…」

呆れたような視線。
わたくしはそれにいたたまれなくって。

「わたくしの言う事を聞かなかった事、後で後悔するが良いですわ!!」

「は?」

ポカンとする特待生を残して、早足で教室へと向かった。