社会問題小説・評論板
- Re: 『余命三ヶ月の私といじめ』—オリキャラ募集です— ( No.2 )
- 日時: 2012/03/28 20:10
- 名前: 黒猫ミシェル (ID: qpE3t3oj)
廊下を通るわたくしを、皆が見てる。
尊敬、畏怖、謙遜、恐れ、敬い——様々な感情。
でもそれは、仕方がない事だわ。
だって、わたくしは容姿端麗、文武両道何ですもの。
加えて、あの月城家の一人娘。
最愛のお父様は、私を可愛がって下さる。
この私立聖皇興院で一番権力がる家柄、月城家。
そのわたくしに逆らう者など、ここでは誰一人いないわ。
だから、
「・・・痛い」
「っあ!も、申し訳ありませんっ麗華様っ!!」
「あなた・・・。良い度胸してるわね」
「お、お許しくださいっ!!」
生意気にもわたくしの頬に傷をつけた、目の前の女。
わたくしが通ったら、道を開け、尊敬の目でわたくしを見つめる。
それが常識。それを、この女は愚かにも、わたくしの前を走り抜け、
しまいには、美しいわたくしの顔に傷をつけた。
「決めたわ。今月の『うさぎ』はあなたで決定」
「ヒッ!!?」
「ちょうど良かったわ。『うさぎ』を誰にするか、迷っていたの」
「お、お許し、下さい・・・」
必死にわたくしの靴に頭をスリ付け、許しをこう女。
フン。いい気味だわ。
これからわたくしを、どう楽しませてくれるのかしら?
「光栄に思いなさい。わたくしの玩具になれるのだから」
「うっううぅ・・・」
「あなたは親に、教育を受けていないようね」
涙でくしゃくしゃのみっともない顔。
それをわたくしは思い切り蹴りつけた。
「言って御覧なさい。『うさぎ』に選ばれたなら・・・?」
「あ、ありがたき・・・ううっ」
「続き」
「し、幸せです。麗華様の、お、玩具にならせて頂い、てっ」
「そうでしょう。明日から、わたくしも楽しみだわ」
そう言い、麗華様はたくさんのとりまきと一緒にこの場を去った。
後に残るのは、泣き崩れた哀れな彼女と、それを眺めるクラスメイト。
しかし同情の視線は投げかけても、鼻血を出したその子を助けようと
する者はいなかった。・・・・もちろん、私もその一人。
何故なら彼女は私達のクラスメイトではなく、麗華様の玩具になった
から。麗華様の『うさぎ』に構ってはならない。
それが、この学校の決まり、掟なのだ。
