PR
社会問題小説・評論板
- Re: お嬢様に虐められて虐めましょう。 ( No.85 )
- 日時: 2012/08/15 20:10
- 名前: 黒猫ミシェル (ID: EZ3wiCAd)
「ぅ…あ、…ん?」
「気付いたかい、聖花?」
目を覚ました聖花の目に真っ先に映ったのは、微笑む洸大の顔。
その爽やかな微笑みを確認した途端、聖花は怒りに支配された。
「洸大っ!!良くもあたしを嵌めたわね!?」
「…まずは落ち着いてよ」
洸大が聖花を連れて来たのは、ある町外れの古臭い場所。
華族の洸大が、足を踏み入れること自体おかしな町。
華族の中には、こんな町がある事すら知らないで死んでく者もいるのだから。
「落ち着け!?良くもぬけぬけと!!あたしの身体にあんな物打っといてっ!!」
「聖花?君はただの一般市民だ。僕だからまだ喋っていれるんだよ?」
「っ…」
さっきまでの事が、頭の中を掛けていく。
自分は、売られたのだ。
信じていた義親に。
仲間だと思っていた、洸大に。
「何よ…殺しなさいよっ!?これから薬に頼る人生より死んだ方がマシよっ!!」
「だから、落ち着いてって言ったでしょ?」
「落ち着いて?んなの知ったこっちゃない、わよ…」
威勢をはる聖花の表情は、優れなかった。
自分がこれからどうなるのか、まるで分からないのだ。
お金はない。
頼れる身内も、友達も。
全部、奪われたのだから。
「聖花、ごめんね」
「は?何が!?謝るなら…最初から裏切るんじゃないわよ!!」
「裏切ってないよ。むしろ、お礼を言って欲しいぐらいだね」
「は!?お礼!!?寝言は寝てから言うんだよ。華族様?」
被肉を言う聖花に、洸大はゆっくり語り始めた。
PR