社会問題小説・評論板
- Re: ヤクブツGirl*〜オリキャラ募集です!〜 ( No.22 )
- 日時: 2012/08/29 18:34
- 名前: 菜々希 奈菜 ◆mkSlAKVcCY (ID: CFE7lDA5)
#9(テントウムシ様!お待たせしました!直君です!)
私は一人、夕日で明るい帰り道をとぼとぼ歩いていた。
ルナは家が反対方面なので途中で(というか門で)別れてしまう。
帰る友達がいないから、いつもいつも一人で帰っている。
「ふぅ……」
小さくため息をつき、上を見上げる。
オレンジ色に染まった空。きらきらと光っていた。
「……」
こんなとき普通の人ならさびしく感じたりするかもしれない。
でも私には知衣やルナがいる。それに一登だっている。
ちっともさびしくはない。つらくはない。
「よう」
ふと後ろで聞きなれた声がした。
またか。
そんなことを心の中でつぶやく。
後ろを振り向くと、そこには利那の幼馴染であり、
私から薬物を買っている同級生 藤村 直の姿があった。
「星田。」
藤村はニヤニヤと笑っていた。
「何の用?」
冷たい目つきで返すと、藤村は表情を一mmもかえずに、言った
「薬くれ」
「会って第二声がそれか。」
「やぁ、やっぱりここが一番買いやすいんでね」
こいつ、やっぱりおかしい。
藤村は薬物乱用者だ。利那の幼馴染で、利那の言うことなら動く。
でも、薬はなぜか私のところで買う。不思議なやつ。
「金はやるよ。釣はなしな。」
そういって、すぐ前にいるのに私に金を投げてきた。
私はそれを片手でキャッチする。結構な金額。
これくらいもらったからには渡さないわけにはいかない。
一登がよく言う薬物販売流のビジネスというもの。
「はぁ、しょーがねーな。ほれ」
私もバックからとりだした袋2個を藤村に投げつけた。
藤村もそれを片手でうまくキャッチした。
「2個もくれるのか?」
薬物を見ずに私を見つめる。
「いらないから。やる。」
そういって、私を後ろを向き歩き出した。
藤村は何も言わず、後ろを向いて歩き出した。
今日一日で3個あった袋は全部売れた。
乱用者は増やせなかったけど完売するだけでも、
きっと一登は喜んでくれると思う。一登の役に立てるならそれでいい。