社会問題小説・評論板

Re: いじめっ子といじめられっ子と傍観者と偽善者 ( No.19 )
日時: 2012/10/22 13:47
名前: はこりんご (ID: mJV9X4jr)

私は流れる血を止めようとはしなかった。

死んだら死んだ時。

私は死を望んでいたんだ、だから。
死んでも別にいい。
もう、生きるのはつらすぎる。

栗香も、加奈も、先生も、沙奈も、クラスメイト全員。
悪魔じゃないの?って思うくらい怖かった。
怖くて、怖くて。でも、私はわらった。

「夢、なんでわらってるの〜?
 ねぇ、本当にムカつくんだけど。死んでよ。」

栗香の声と同時に加奈は私にコップを投げた。
割れはしなかったが、コップは私の顔にあたった。

痛くて、辛くて。助けてほしかった。

本当は加奈に助けてほしかった。
加奈に裏切られた。

その気持ちで、その悲しみで、
すべてが闇に塗りつぶされた。

「加奈、ノートかして。」

栗香はそう言うと加奈からノートを受け取った。
そして、私にそのノートを見せた。

そのノートには栗香と加奈のほしい物リストが書いてあった。

「Jewel of blueっていうお店知ってるでしょ?
 そこでこのノートに書いてるもの買ってきて!」

いろんな物が書かれていた。

こんなに買えるわけがない。
お金がいくらかかるか。

断れないことはわかってるけれど、無理だ。
けれども栗香は、微笑んでこう言った。

「お金が足りなかったら万引きでもしてよ♪」

万引き?栗香は私に万引きしろっていうのだろうか?
私に犯罪者になれってことだろうか?

それこそ無理だ。

加奈、栗香を止めてよ。
今すぐに______________助けてよ。

「夢。買ってくれるよね?」

加奈はそう言って私にテレビのリモコンを投げた。

私はふるえながらうなずいた。

すると、栗香と加奈は帰って行った。

私は疲れと痛みで倒れるように寝た。

もう、明日が来ないでほしい。
そう願った。
その叶わない願いを、何回も何回も、
心の中でつぶやいた。