社会問題小説・評論板

Re: いじめっ子といじめられっ子と傍観者と偽善者 ( No.4 )
日時: 2012/10/21 01:07
名前: はこりんご (ID: mJV9X4jr)

やっと火を消した時、栗香が私のほうに来た。

私は泣きすぎで赤くなった目を栗香にむける。
反抗的な目。とは、今の私の目にそっくりだろう。

しかし、その目が栗香を怒らせてしまった。
栗香は怒りそしてみくだすような目で私を見る。

「あんた。さっきの目、何?」

その一言でうるさかった教室はしずまりかえった。

「ざけんなよ!!!クズが!キモイから!!!」

栗香の声が教室中に響く。

みんなびくびくしている。
もちろん私も。

とりまきは不気味な笑顔でこう言った。

「栗香〜。シツケしないといけないんじゃない?」

頭が真っ白になった。

ふるえが止まらなかった。

恐怖におしつぶされそうだった。

シツケというのはいつものいじめの何倍もつらい‥‥‥‥‥。

栗香はシツケという単語を聞いた瞬間、目の色が変わった。

にったりとしたえみ。
誰が見ても怖いと思うような顔でただ一言。

「はじめよっか♪」

その言葉と同時にとりまきと傍観者たちが私を囲む。

栗香は後ろにあった椅子に座り手をたたく。
すると、傍観者たちが私に向かいゴミを投げる。
紙くずやぞうきん。
他にも誰のものかわからないかさや、ゴミ箱ごと投げられたりもする。

私はただしゃがみ込み、頭を抱える。
それしかできない。

そしてもう一度栗香が手をたたくと、
みんなが私の持ち物を切り刻みだす。
教科書は原型をとどめず、体操服はビリビリ。

栗香はおなかをかかえながら笑いを必死にこらえている。

私は切り刻まれていった一枚の写真を見て、また涙を流した。

しかし、栗香はやめることなどしない。
また手をたたく。

するとバケツをもって栗香以外の人が水道の方へ走って行った。

「いいきみね♪」

栗香がそう言ったあと、
何人かがバケツに水をいっぱい入れて帰って来た。
そして私にその水をかける。
そしてまた水をくみにいく。
その間にほかのやつらが私に水をかける。
私は何回も水をかけられる。

栗香はとりまきの1人に大きいバケツを渡しながら何か話している。
それからとりまきはうなずき、水をいっぱいくんで来た。

そのあとまた栗香が手をたたく。
それと同時に髪の毛をつかまれ、水の中に顔を入れられる。

息ができなくて苦しい。

少したってからやっと顔を出せた。

しかし、また1分もしない間に水の中へ‥‥‥‥‥

少しずつ体力はへっていった。
栗香は私の顔を水に5回つけ、そのあとまた手をたたく。

今度はみんな私を蹴る。
すごく痛い。

さっきのでもうへとへとなのに蹴られるなんて、
もう立つこともできなかった。

「や、やめて‥‥‥‥‥。」

その声は栗香には聞こえず、ただ蹴る音にかき消された。