社会問題小説・評論板

Re: いじめっ子といじめられっ子と傍観者と偽善者 ( No.6 )
日時: 2012/10/21 01:30
名前: はこりんご (ID: mJV9X4jr)

「ねぇ。あの子‥‥きもくない?」

栗香がとりまきと話している。

少し懐かしい気がするのは
おそらく、夢だからだろう。

そう、あの時の__________

消したくても消せない記憶。
毎日のように見る夢。

「夢。ごめん」

加奈が私にたいして最後に言った言葉。
それ以来、加奈は傍観者になった。

悲しみ、怒り。いろんな感情がこうさして、自分を見失った。

この日から、遅刻が急激に増えた

「おはよう夢ちゃん♪」

栗香は笑顔でそう言いながら手を振る。

その栗香の足下にはビリビリにされた教科書とノート。

最初の方はいじめもこれぐらいだった。
しかし、いじめはやまず。ただエスカレートするだけだった。

「これあげる♪」

笑顔で私の顔にセミのぬけがらを投げて来た時もあった。

「夢ちゃん☆金かして!一万円ぐらい♪」

お金は何回もかした。
合計で十万は絶対にかしただろう。

しかし私にそんなお金はなかった__________
盗んだんだ、お母さんの財布から。

だってお金をわたさないと__________
シツケされるから‥‥‥。

「ありがとね♪夢ちゃん!またよろしく。」

怖い笑顔。
にっこりわらう栗香はとても怖かった。

笑顔でどんなことでもするから。

私が泣いていると栗香は満面のえみで

「どうしたの?」

と言ったことがあった。
すごく楽しそうに。

きっとこれはあの子にとってゲームでしかないのだろう。

私が生と死のはざまに立っていても気にせずにいじめを続ける。
そう。例えるのなら、悪魔だ。

「泣いたらすっごい汚い顔が涙でさらに汚くなるよ〜!」

そう言って、
これでふきなよと言うような顔でぞうきんを差し出す栗香。

その時私は逃げた。
涙を流し、走った。

しかし、翌日__________
シツケが待っていた。

「あんたが悪いのよ。」

そう言って手をたたく栗香。
私を蹴りだすクラスメイト。
泣く私。

その光景は、悲惨だが_____誰も止めようとはしなかった。

傍観者は私をイケニエにしたんだ。
自分たちのために。