社会問題小説・評論板

Re: 椅子取りゲーム ( No.20 )
日時: 2012/12/05 17:34
名前: 小説馬子 ◆MiJ.aMrglc (ID: sA8n45UA)  


「それでは、これから体育祭の出場種目を決めます。みんな席に着いて!」

体育祭執行委員が騒いでる。
俺には関係ねぇし、ダチの席に居候するし。

「ったく、体育祭とかだるいの極みだよな〜」

俺に椅子を占拠された亮太が呟く。
俺は黒板の横の掲示板を見た。

『9月30日、みんなで成功させよう、日寄中体育祭(ひよりちゅうたいいくさい)』

今日は9月2日、始業式の次の日。

体育祭なんてだるいもの、真面目にやるヤツなんかいるかよ。

「永瀬君席に着いて!」

「は?てめぇ、何言っちゃってんの?
こんなの誰が真面目にやるかよ。」

「ならば、こちらが勝手に決めます。中二、中三合同組体操の塔のてっぺんでも知りませんよ!」

執行委員が黒板に
『組体操 塔のてっぺん  永瀬祐樹』
と書いた。

「はっ?ふざけんなし!

それなら、塔の真ん中辺りにしてください。」

俺は魂の土下座モードへ移行。席へダッシュしようとして、誰かのエナメルの肩紐にこけた。

「つかなんか口調変わってるし、
いいよいいよ、美紀ちゃんこいつ一番てっぺんで!」

亮太がしょうもないことを言う。

クラス中が笑った。

執行委員(確か吉田美紀だっけ)は、黒板消しを持って消すかどうか悩んでいる。

俺、永瀬祐樹と長森亮太(ながもりりょうた)はこのクラス、2Cのムードメーカー。

クラス全体も仲が良く。一学期の合唱祭は、中二で一位だった。

「永瀬君、塔のてっぺんは中三がやるきまりになってるから、大丈夫よ。」

「みきー、ナイスひっかけ!」
「永瀬、残念だったな塔のてっぺんは無理だってさ!」

クラス中から野次がとぶ。

「えーっ、そ、そんな……」

「何ショック受けてんだよ。」

遠くから亮太のツッコミが素早く入った。