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社会問題小説・評論板
- Re: 椅子取りゲーム(参照1000突破!!ありがとう) ( No.56 )
- 日時: 2013/03/11 20:04
- 名前: 小説馬子 ◆MiJ.aMrglc (ID: bwnA48pc)
−−三回戦中学三年生−− さくら(森山直太朗)
「ほらみんなぁ、席着きなさい!!テスト、返すよ」
中学校生活最後の後期中間テスト終わって一週間。今日全部のテストが返ってくる。
「名前の順に返すから、みんなは席に着いてて!!」
余計に教室がざわついた。
そんなの言われても真面目に席に帰る人なんていないよね。
でも、あたしはこの空気嫌い。なんでかって……そりゃね。
「相川光(あいかわひかる)」
あたしはこの名前が嫌い。何度呪ったことか。ほぼ百パーで先頭のあたしの名前。
あたしは唯一おとなしく座ってた席を離れて、教卓に解答を取りに行く。
「相川さん、頑張ったわね。……後で面談室で話そっか」
小声でそっとあたしに耳打ちされた。着飾った女の香水の臭いが鼻につく。
あたしはこの女教師も嫌い。生徒を気遣かってまわりくどい言い方をする。
「つまり、成績不良、進路相談ですか」
「なっ、そ、そんなこと……」
うろたえる偽善者をおいて、あたしはすたすた自分の机に戻る。
そう、ここ、ここまでは許容範囲。後は運次第。
「ひっかる〜、どーだった?」
「今回難しかったんだもんね、ひかるは何点?」
あたしが名前を呪う理由。それは……最初に解答を配られるから皆に点数を聞かれ、覗かれること。
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