社会問題小説・評論板

Re: 椅子取りゲーム(参照1000突破!!ありがとう) ( No.57 )
日時: 2013/03/15 07:32
名前: 小説馬子 ◆MiJ.aMrglc (ID: bwnA48pc)  


「えっ!?ひかるすごくない?」
「すごいよね!!」

 あたしは今まで平均点に届いたことがない。どうせ平均は90点台だろうし。

 皆もあたしが馬鹿なのは知ってる。それでもテスト結果覗いて、お世辞を言いながら、心の中では安心してんだ。

 ひかるは相変わらずバカだから大丈夫。私は成績は上、最下位ではないって。

 もうすぐ高校受験だから、時期が時期なのかもしれない。

 でも、踏み台にされてるみたいで悔しい。こんな被害妄想にはしって、心が粉々に砕けていく。

「あ、私も呼ばれた〜!!」
「えっ、ウチやばい!!超できた!!」

 気付いたら、周りの人だかりはなくなって、それぞれで喜んだり、落ち込んでたりしてた。

「まったく、自己チュー。デリカシーないよね、あいつら」
「由岐(ゆき)……?」
「あたいはあんなやつら嫌いだね」

 渡辺由岐(わたなべゆき)。

 成績はクラストップだし、名前の順も最後。でも、女子できゃぴきゃぴするのが嫌いで、いつも一人。

「だって、やっぱ許可も無しに解答覗くなんて人間のやることじゃねぇし。あっそうだ」

 由岐は隣にいた時からずっと騒いでる女子を見てたけど、こっちを向いた。

「テストお疲れ様でした」

 軽く微笑んで、スタスタと席に戻っていった。

 あたしは由岐みたいになりたい。図書館で勉強してるのを見つけて、あたしも真似してみたけど成績は変わらない。

 どうしたらいいんだろ。

 教室は未だにざわついていて、悩むにはうるさすぎた。