社会問題小説・評論板

その瞳に何かが映る時、私は何を感じるのだろうか。 1話-2 ( No.4 )
日時: 2014/11/25 03:23
名前: ミム (ID: B594orir)

先に私のクラスに着いた。


「じゃあね、柚葉!お昼はお弁当一緒に食べようね!」

「うん!!」


何故かその一言で安心し、思わず笑みがこぼれる。



それにしてもクラスにはどんな子たちがいるんだろう?
派手な子たちじゃないと良いなぁ。


ドキドキしながら教室に足を踏み入れると、周りを見渡しながら自分の席に着いた。


周りは賑やかだ。
もう皆グループで固まっていた。
固まっていないのは私ぐらいだろうか?

隣から聞こえる笑い声、前から聞こえるヒソヒソ話。
私をどんどん不安に追い込んでいく。



一人なのは私だけか…




—————いや、違う。




そこにはもう一人私と同じように一人でいる子がいた。


その子は真黒な長い髪にとてもきれいな顔をしていた。
だけど雰囲気は暗かった。
そのせいだろうか?
彼女に近づくものは誰もいない。

その様子を見た私は勇気を出して話しかけてみることにした。


ゆっくりゆっくり彼女に近づいて行く。



———ドン!!



集中しすぎて周りが見えていなかったせいか、クラスの子にぶつかってしまった。


「いたた…ご、ごめんなさいっ。」

「あ、こっちこそごめんねー!それにしてもそんなところで何してんの?」


え…!?


彼女の席を恐る恐る見てみるとそこにもういなかった。


「いや、何でもない、です!」

「そ、そう…?」


明らかに相手は私のことを引いていた。
それもそうだろう。
私みたいに敬語で話す人なんてなかなかいないのだから。

しかもこの高校は少しレベルが平均に比べて低かった。
だから髪を染めてる子なんて当たり前だし、皆メイクだってしている。

その中で私は真黒なショートカットにメイクだってしていなかった。

ただでさえ友達を作るのが苦手で臆病な私は、いつも気を使って友達ができない。


「ねぇ、こっちきなよ!」

「え…良いの…!?」


嬉しくて敬語ではなくなっていた。


「良いに決まってんじゃん!!」


さっきぶつかった女の子は、私の手を引くと、グループに連れて行ってくれた。



しかしそこにはいかにも今時の女子と言う感じの子達がいた。




「え、あの………」



思わず言葉を詰まらせてしまう。

こんな私がこんな人達の中に混じっても良いのだろうか…



「大丈夫だから、そんな緊張しなくても!ねっ!」

「は、はい!」


そう言ってくれると女の子は、私を紹介してくれた。


「えっーと、この子はさっきそこでぶつかった子です!!」

「えー、何それーー??」


笑い声が響く。

馬鹿にされているのだろうか?

不安になっていく。



でもこれに置いてけぼりにされてはいけない。



「あ、あの!!」



思ったより、声が大きく出てしまい、自分でも驚いてしまう。


でもせっかく声を掛けてくれたんだ。
あの時もし声を掛けてくれなかったら、私は今クラス一の一人ぼっちだっただろう。
きっとこれで頑張れば———



「さっきそこでぶつかった子こと、椎名柚葉です…!よろしくお願いします…!!」


一秒が何分かのように感じるほど、一瞬静かになったが、それと同時に笑い声で溢れた。


「へぇー!!面白いじゃん!!うち優奈!よろしくねー!」

「は、はいっ!!」


優奈と言う女の子は私に手を出してくれると握手をしてくれた。

なんて可愛いくて明るい女の子だろう。
私の始めの印象はそう言う感じだった。

その他にも2人、香帆かほ凛子りこが自己紹介してくれた。


勇気を出してよかった…
今年はいい年になりそう!


そうこうしているうちにチャイムが鳴った。