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社会問題小説・評論板
- Re: 【壊れた教室】そこに居たのは、 ( No.44 )
- 日時: 2014/02/17 14:57
- 名前: 杏香 ◆A0T.QzpsRU (ID: HmBv7EUE)
"今だって、ほら。聞こえてくるだろう?"
紗希ちゃんを馬鹿にして笑う、そんな声が——。
「あいつ、持ってくるの遅すぎだろ」
それにつられて、周りの人達が小さな声でクスクスと笑う。
……一応先生が居るから、控えめな声ではあったけれど。
でもさ、同じ班の男子が話してるんだよ? 聞こえないはずがないって。そして……私の中の何かが、ぷつんと音を立てて切れた。
私は、紗希ちゃんを笑った奴等の顔を1人ずつ見ていった。
どいつもこいつも、楽しそうな顔して。それを聞いて嫌な気持ちになる人の事も考えられないの?
ああそっか、それが目的で言ってるんだもんね。だからって許される事でもないけど。
それにしても、本当にバカな奴等。この前まで、あんなに紗希ちゃんの周りでウザいくらいにニコニコして媚びへつらってたくせに、紗希ちゃんの立場が悪くなった途端に寝返りかよ。
まぁ、所詮友情なんてそんなものか。紗希ちゃんを庇う訳じゃないけれど、あんな奴等に生きてる価値なんて無いよ。
だって、あいつらはいっつもそうだもの。立場の弱い人を、馬鹿にして笑って追い込んで。
あいつらは、自分の事しか考えていない。自分が利益を得る為だったら、損をしない為だったら——、手段なんて選ばない。
だから、あんな事……"いじめ"だって、平気で出来るんだ。
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