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社会問題小説・評論板
- Re: 【壊れた教室】そこに居たのは、 ( No.88 )
- 日時: 2014/02/28 23:07
- 名前: 杏香 ◆A0T.QzpsRU (ID: HmBv7EUE)
抽象で表してみようとか、それ以前の問題として私は自分でも自分の事がよく分からなくなっていた。自分の心、と言われても私の頭の中には無数の疑問符が浮かぶだけである。
「何も難しく考える必要はないんだよ。自分が思ったことを描けばそれが正解になるんだから」
……美術の先生は先程そのように言っていたが、良いアイディアなんて全然浮かばない。
周りは騒がしく、お気楽な人達ばかり。お互いにプリントを見せ合って、うわお前絵下手くそだなー、なんて言って笑っている。
このまま思案に明け暮れて残りの時間を潰そうかとも思ったが、それでは授業をした意味がない気がする。
それに残りの時間はまだ、二十分以上もあるのだ。
教室の天井近くに掛けてある時計を、視力の悪い薄汚れた目で見上げる。
時間が進むのは、改めて考えてみるととてもゆっくりだ。だけど、過ぎてしまえばまるであっという間だったかのように思える。
……ここ最近の出来事を思い出してみると、もやもやとした感情が心の片隅に居座り続けていることに気付いた。
私は文章を書くのが下手だし、語彙も少ないから、はっきりとした言葉で表すことはできないけれど。
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