社会問題小説・評論板
- Re: あなたとわたしの世界観 ( No.2 )
- 日時: 2013/01/29 18:11
- 名前: 藍永智子 ◆uv1Jg5Qw7Q (ID: vwUf/eNi)
昨日の夜に降った雪が辺り一面を埋め尽くしていて、太陽の光を浴び、きらきらと輝くそれはとても目に痛かった。
「もうギブ……!!」
気が付いたときには私はその台詞を言い終えていて、隣に居たあの子が、多分親友だったあの子がとても傷ついたような顔をしているところだった。
しまった、とも思った。——けれど、それよりも「独り」でいることへの期待が胸を弾ませる方が先で、それはさして気にならなかった。
それは、何年間も一緒にいた親友に向けての言葉だった。
酷いって思う? そう、それなら勝手に思っていて結構。
彼女——咲川琴音ちゃんとは、今さっきまで「親友」だった。……と思う。
何故そんなことを付け加えたのかというと、「保険をかけておきたかったから」っていう言葉が一番しっくりとくる。親友だって思っていたのは、私だけだったのかもしれないじゃない? だから、その為。
いよいよ小学校に入学だ、って胸をときめかせていた六年前の春休み——家が近かったから、というだけの理由で私は琴音ちゃんと仲良くなった。
「家が近くなければ仲良くならなかった」とも受け取れるのだけれど、それは余計な話ね。
小学校に入学すると、私は琴音ちゃんのほかに友達が出来て——とっても身勝手だと思うけど——正直、彼女と一緒にいることが面倒になってきた。
琴音ちゃんは、お世辞にも明るく社交的な性格だとは言い切れないような人だったから、私はうわべだけの軽い付き合いができる人達の方を選んだ。一緒にいて楽な方を。
小学校高学年のときクラス替えがあって、偶然同じクラスになった琴音ちゃんと私はまた仲良くなった。
いえ、勝手に「親友」という看板を持ち出したの。
その時から私と琴音ちゃんとの友好関係は途切れずに続いていたし、これからもずっとそうなんだろうな、と思っていた。
だけど、私はまた身勝手なことをしてしまった。
彼女に悪いかな、と思って——傷つけてしまうと思って口には出さなかったけれど、多分、その代わりに顔によく表れてしまったのだとおもう。
もう終わってしまった今なら、それを言っても許されると思えるから、私はこれを話すことにしたの。
誰に話すのかって?
進んで私と話そうとするような物好き、ここらにはいないわよ。
答えになってないわね。
私のなかにいる「私」、自分がやってしまったことを思い知らせるためにも、私は話そうと思う——。
きちんと聞いていて。目を逸らしてはいけないわよ。
これが私のやったこと。——その重さをしっかりと胸に刻みつけるまでは。