社会問題小説・評論板
- Re: あなたとわたしの世界観【参照300突破感謝】 ( No.33 )
- 日時: 2013/03/16 21:38
- 名前: 藍永智子 ◆uv1Jg5Qw7Q (ID: EFgY0ZUv)
- プロフ: 私の思いを形容できる言葉を教えて下さい…
私——志保は真面目で責任感が強く、琴音ちゃんは社交性があるという訳ではないけれど、必要なときであれば誰とだって関わることが出来て、るいちゃんはとにかく明るくて悩みなんて一切なさそうに見える。
まあ、どれも一見して感じられることなんだけれど。
だから実際には全然違うのだろうし、これはあくまで「第一印象」ってだけで、特に何の意味も持たないものよ。
私は全然真面目なんかじゃないしね。
ただ、守るべき規則をわざわざ破ろうとすることの意義が分からないってだけ。規律を乱すことが嫌いなの。
悪目立ちすることも嫌いだけれど、自分の中での優先順位としては規則を守る、ということの方が上にあるから、ある程度は仕方がないと思っている。
そのせいで随分とやっかみを言われたこともあったけれど、最近はもう慣れてきたから、以前と比べるとあまり気にならなくなってきたわ。
もう一つ、私は別に責任感が強いなんてことはない。
私と暫く一緒にいた人でさえ言うのだけれど、それは勘違いなのよ。
責任感? そんな面倒なモノ、私が好き好む筈がないじゃない。
あーあ、誰か人の心を読んでくれないかしら。——この思いを、葛藤を誰か一人でいいから共有したいの。
もう自分ひとりで溜め込むのには疲れてしまったの。
誰かと関わるのはもう嫌なの。一緒に過ごす時が増えるにつれて、その人の汚い部分しか見えなくなってきてしまうから。
きっと綺麗な所だってあるはずなのに、私は汚い所にだけ目を惹かれて、そちらを見ようとするのを止めてしまうから。
こんなことを考え始めたのは、いつ頃だったかしら。
昔はただ「今」という時間が楽しくって仕方が無くて、学校から帰ってくるやいなや友達を誘い、公園で泥まみれになりながら駆けまわっていたのに。
私は誰かと関わる時が経つにつれて、人の裏側をより深く覗けるようになっていった。
そうなった私が、どうしたのか分かるかしら。
汚い所を沢山見たくないあまりに、綺麗な所さえ見ようとしなくなったのよ。
綺麗な所が見える前に目を塞いでしまうの。——そうすれば、私の視界に入ってくる汚いモノは最小限に止められるでしょう。
ただその代わり、綺麗な所は見えなくなってしまったけれど。
汚れることを嫌い過ぎたあまり、本来なら触れることが出来る筈だった、人の綺麗な所をも拒むようになってしまった。
だから、結果として私は人とは汚さだけで出来ているものだ、と思うようになったの。
——ねえ、エゴの塊である人間と関わらなければいけないのはどうしてなのかしら。
こんなことを言っている私だって、その「人間」の一人なのよね。その事実だけはどうしようとも曲げられない。
でも、それでも、ヒトという存在を厭わしく感じてしまうのだから。
結局、私こそが最大の利己主義者ってことなのかしら。