社会問題小説・評論板

Re: あなたとわたしの世界観【ひとまず一件落着。】 ( No.43 )
日時: 2013/05/08 22:22
名前: 藍永智子 ◆uv1Jg5Qw7Q (ID: A6nvNWRl)

 お久しぶりです、ここ最近精神状態が絶不調な藍永です。
 どうやら書きたいことを掃出しでもしない限り、私の涙腺は緩み続けるようなので、再び書かせて頂きます。

                *

 琴音ちゃんとの問題? それは、きっともう終わったのだと思う。
 いえ、終わっていないにしろ、今はあまりさしあたった問題ではないから、ひとまず置いておくわ。
 今——私が直面している問題は、もっと別の、もっと面倒なモノ。

 私が通っている学校は、全員部活動に所属しなければならないの。中学入学当初は、美術部に入部する気持ちだったのだけれど、仮入部期間に何となく暇つぶしがてら見学に行った卓球部に結局入ることにした。
 全面的に球技が苦手な私は、もともと運動部に入るつもりなんて無かったのよ。

——まあ、結局入部したんだから、ぐだぐだ言うのは止めるわ。

 同じ学年で入部した子は、全員で八人。
 その中には恵利ちゃんもいたのだけれど。それのせいで随分悩んだこともあったわ。
 そして、これが一番重要なのだけど、先輩はたった一人だけだった。
 仮に、A先輩とするわね。
 A先輩の学年には、卓球部に入ろうとする人は誰一人として居なかったらしいわ。本当に、残念。

 そのせいで、今の状況は起こり得ているのだから。

 入部一年目、ただただ技術を習得することだけを考えて、がむしゃらに部活動に取り組んでいたわ。
 部活内での唯一の問題だって、恵利ちゃんのことだけだったし、なかなか充実した時間を過ごせていたと思う。
 
 それ以外の問題が起こったのは、確か今年度の始まった頃だったわ。
 二年生になった私は、今年も十分過ぎるくらいの意気込みで部活に取り組んでいこうとしていた。——けれども。
 どうやら私は、意図せずに先輩の「地雷」を踏んでしまったらしいのよ。

 A先輩によれば、私は彼女が言ったことを聞き落したらしく、余計な口答えをしてしまった、のですって。
 私の方から見れば、彼女が「言った」と主張しているそれさえも馬鹿らしく思えるのだけれど。
 とにかく、私は先輩が「言った」筈のそれを聞いていなかった。だから、分からずに意味のない口答えをしてしまった。
 A先輩は、そのときの私の態度だか口調だか存在だか、何かにイラつかされたらしくって、その瞬間から自分にたまっている鬱憤を私で晴らすようになった、という訳。
 ——まあ、何とも傍迷惑な話。

 もともと「私は三年生が一人だけだから」っていう台詞が口癖の先輩だったのだけれど、その言葉を聞く度に私達下級生がどれだけ、自らの思いを殺そうと努力しているのかすら知らずに、よくもまあしゃあしゃあと言えたものだわ。
 
 「私は三年生が一人だけだから、去年だったら先輩と一緒に県大会に出場できたかもしれなかったのに」?
 
 そんなこと知りませんよ。私と貴女には一年間もの練習量の差があるのです、無理もないでしょう?

 「コーチの人に、私は去年の方が強かったって言われたんだけど、やっぱり先輩と練習していたからだよね」?

 あなたは私達を貶すことを楽しんでいるのです? 要するに、練習環境が悪化して自分が弱くなったと。練習環境が悪化したのは、私達は入部したせいだと?
 
 「あーあ、三年生一人だけで頼りなくてごめんね」?

 頼りないですって? そんなに独裁政権まがいのことをまったく悪びれずに執り行っていながら、よく言えたものですね。

 しまいには、「私、正直こんなに部員いらなかった」ですって?



——いい加減にしてくださいよ、先輩。



 誰がどの部活に入るかなんて、個人の自由でしょう。強いて言うのであれば、必ずどれか一つの部活に所属しろ、と決めている学校が原因でしょう。
 それを後輩だけの責任とするのですか。

 私が「地雷を踏んでしまった」後からは、その私怨は全て私一人に向けられるようになったわ。
 もともと人の後ろに隠れてこそこそしているような性格の彼女。——勿論、正面きって悪口言いに来る度胸がある筈もないわよね。
 直接、何かを言われた訳ではない。
 けれども、「何か」が変わったのだと気付けない程、私は鈍感ではないわ。
 何にも変わっていないのであれば、私の精神状態だってこんなに悪化する筈がないでしょう。
 部活、という単語を思い浮かべるだけで気分が落ち込むことは、部活の時間が近づくにつれて何もかもがどうでも良く感じられるようになるのは、部活の時間内に何度も涙腺が崩壊するのも、先輩の顔を見る事さえ躊躇うようになったのは——「何か」が変わったからでしょう。

 よくもまあ、顧問の前で「それは勘違いだから」なんて言いきれたものね!
 先生がいないところで、何度も何度も当り散らしてくる「アナタ」の存在は何処へ消えてしまったのかしら。



 ああ、やっと私の存在価値を見出せそうになっていたところだったのに。


 

——それどころか、私自身の存在意義すら見失ってしまったじゃない。