社会問題小説・評論板
- Re: 少女よ、虐められている事に気づけ! ( No.10 )
- 日時: 2013/04/16 22:17
- 名前: ^p^ ◆vMGDUlK0sc (ID: TxB8jyUl)
三話『犯人。』
(葵視点)
〜トイレ〜
「ふぅ、すっきりした。」
私は後ろの方でイジメの様子を見ていた。
どうイジメるのか、楽しみ……でもない。
まず私はイジメについては賛成ではない。
反対である。
そりゃあ顔にモップ押し付けられたり、
水かぶられたりしたら嫌んなるよなぁ。
……そんな事を考えていると、
「んじゃあ、いくわよ?」
「オーケー、凛!」
凛と花だ。
すごく小さな声で話している。
そして、その瞬間。
『バッシャーン!』
美香の入っている個室の上から水を落としたのだ。
「逃げるよ!」
凛はそう言うと、二人してすぐに行ってしまった。
私もそれを追いかけるように、
『タタタタタッ』
と足音を立て、逃げていった。
〜教室〜
私が教室に着いた頃にはもうチャイムが鳴っていた。
まぁ、まだ先生は来てないのだ。
ゆっくり行こう、ゆっくり。
「皆さんおはようございます。」
「おはようございまーす!!」
この挨拶は、小さかったらもう一回、何度でもやり直しである。
……ヒドイ。
「では、出席をとります。安藤 夏さん。」
「はい。」
こうしてどんどん次へ次への番号へ行き、
ついに美香の番となった。
「永井 美香さん。」
『ガラッ』
突然、扉が開いた。
私は即座に振り向いた。
……すると、美香が立っていた。
その床には、水が落ちている。
「み、美香さん!?何で濡れているんですか!?」
__凛さんにトイレで水を落とされたんですよ。
それを言えない私。
すると、後ろから肩を叩かれた。
私の友達である。
「ねぇ、葵ちゃん。おかしいと思わない?」
「これは『イジメ』としか考えられない。何故なら、私は目撃してしまったからである。」
「え、目撃したの?さっすが葵ちゃんだね。誰がやったの?」
……それは、言えない。
「それは……り「……とにかく、言い訳は後で聞きますから、保健室へ服を借りに行ってきなさい。陽菜さん、ついてってあげて。」
この声にかき消されてしまった。
私はここで凛がやった。と言うべきだったのだろう。
「……そ、そうなんだ。」
多分、聞こえなかったのだろう。
まぁ、いいや。
私も巻き込まれたくはないからな。
「はい、分かりました。美香、行こう。」
「……うん……」
さあ、二人だけの保健室で、
美香は何を語るのだろうか?