社会問題小説・評論板

Re: The vengeful plan to her ( No.4 )
日時: 2013/07/15 02:18
名前: suzuka ◆3p2qsnXqkQ (ID: 8wzITB29)

ついたり消えたりする蛍光灯が、雨でじめじめする教室で目障りなほど自己主張していた。その蛍光灯の光で、机に私の陰ができたり、消えたり。その机には『死ね』『きえろ』とありきたりないじめに使われる単語が無数に書かれていた。見るだけで吐き気がするような、気持ち悪い言葉を、何時間かけたのか知らないが私の机に隅から隅まで。中学二年生にもなって、まったく理解できない。人を傷つけるという行為に、これまでの時間と労力を費やすだなんて。

「ルイちゃん。どうかしたの? もしかして泣いちゃってる?」

ミカが楽しそうに声を弾ませてそう問いかけた。私は手をぎゅっとにぎると、息を吐き出してから手の力を抜いた。蛍光灯が私の顔をてらす。濁った空気が胸に詰まる。背後に感じるユウカとレナの目線にも気がついてはいるが、気がつかないふりをした。私はただ耐えた。

今日、この日。私へのいじめが始まった。ユウカとレナに酷い言葉を告げたのもこの日。すべてはいじめがきっかけで。いじめが私の世界を壊した。




朝の机の一件が終わると、私は移ろった目でその後の授業をうけていた。大きな先生の声も。耳に残る背後の笑い声も。不安な顔でちらちらと私を見てくるユウカも。どこか遠い世界の事のようで。いじめが理解できないわけではない。受け入れられない、理解したくない。嘘であってほしい。ただそう願った。
この後どうしたらいいのか。ユウカとレナだけは、何があっても巻き込みたくない。机の落書きを消しても、何も消えてなくて。胸に刺さった針が深く刺さっていき、私を苦しめて。こんな思いは絶対にさせない。

「この問題がわかる人……」

笑い声が少し大きくなったかと思うと、先生の視線が私の背後。つまりは、ミカへと向かった。振り返ると、ミカは満面の笑みで手を真っすぐ上に上げていた。ミカは一瞬、私に冷たい視線をむけてから、先生の方へ再び笑みを見せた。

「先生! ルイちゃんがわかるそうです」


私が答えられずに、クラスの笑い者にされたのは、もうわかりきっていた。