社会問題小説・評論板

Re: 不登校児は思考する ( No.11 )
日時: 2013/07/11 21:30
名前: 哀歌 ◆dcuKuYSfmk (ID: IfRkr8gZ)

ミクサ様、お久しぶりです。
早速更新します!!

3話 母の声

ドンドン、というノックの音で目が覚めた。
「いつまで寝てるの!? いいかげん起きなさい!!」
私は無視して、布団に潜り込む。
「舞ちゃんはね、学校行ってなかった時もきちんと勉強してたわよ!? あんたも舞ちゃんを見習いなさい!!」
キーキー五月蠅い金切り声。母は窓が開いているのにも気づかずに、話を続ける。

「子供が不登校だなんて……世間に知られたら恥だわ!!」

本音はそこか。
母親は、私が心配なんじゃない。
世間に、娘が不登校だと知られるのが怖いんだ。
そのせいで成績が下がったなんて知られる方が怖いんだ。
母親は私より、世間の目の方が大切なんだ。
……嗚呼、どうしてだろう。
胸が痛いよ。
引き裂かれたような痛みは、じわじわと広がっていく。

「明日はちゃんと学校行きなさいよ!!」

母親はそんな言葉を残し、荒々しく部屋のドアを閉めた。

母の声は、いつまでもしつこく耳に残ったままだった。