社会問題小説・評論板

Re: 裏切られるのに、慣れただけ。【オリキャラ募集中!】 ( No.22 )
日時: 2015/03/19 20:16
名前: くう ◆RbIa02uyMM (ID: /48JlrDe)

>>11の続き



 お母さんとお父さんは卒業式の後すぐに離婚した。

 今考えると、あの深夜の話し合いも離婚の相談だったのかもしれない。
 私には離婚の正式な理由は教えられていないけれど、親戚間でのヒソヒソ話に耳を傾けてみたところ、お父さんには愛人と隠し子がいたらしい。
 


ショックだとは、思わなかった。

実感が湧かなかっただけかもしれないけれど。



 その話を聞いた日から今日の間まで、なんだか時間が止まってしまったように思える。
 いや、そう思っていても確実に時間は過ぎて行っているわけで。

『何か』は目に見えないぐらい少しずつ変わっていって。




その『何か』は、たとえばお母さん。


 前は私が出かける時は玄関まで来て「行ってらっしゃい!」と笑顔で言ってくれたのに、最近は自室にこもってそっけなく挨拶に来てくれるだけになった。



でも、これはごく自然なことなんだ。離婚して少し今の生活に疲れているだけなんだ。そう思うようにした。

そんなことを考えながら、ふと時計を見る。



……。

見間違いだろう、きっとそうだ。
いつも家を出るのは7:05。

今時計の長針は、まっすぐ真下をさしていた。


目をこする。真下。
頬を叩く。真下。


未間違いじゃなかった。25分の、大遅刻。

「入学式から遅れるのだけは勘弁だわ…」


全部夢のせいだ、なんて冬のCMみたいに呟いて、一昔前の漫画の主人公のように、食パンをくわえて走り出す。




いざ、いつもの曲がり角で待つ友人の元へ。