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＃7　体育祭(優香視点)


「せーーのっっ！1、2、3、4、……」


今日は、5月の中旬に行われる体育祭の練習初日だ。
そして今やっているのは大縄で、1分間の中で一番多く飛べたチームが優勝という単純なルール。

でも、学校の授業の中で体育が一番苦手な私にとってこの授業は苦痛以外の何物でもない。そして、なぜかこの学校には香織と同じスポーツ万能な女子がたくさんいる。
つまり、私はその中の足を引っ張る存在にしかならないわけで。

1、2、3、4、……というリズムには合わせているつもり。なのに、なぜだか足が縄に引っかかって、倒れてしまう。さっきからそれの繰り返しだ。いい加減私を見る仲間の視線が痛くなってきたところで、笛の音が鳴る。


「ただいまの勝負の結果、1チームは43回、2チームは49回、3チームは24回、4チームは56回、よって、4チームの勝利です！」


当然3チームが私たち、4チームが香織たちのチーム。わかりきっていた結果にもう何も感じなくなった私が次の種目の準備に取り掛かっていると、後ろから私のチームのリーダーでクラスのまとめ役でもある　木村 綾香が来て、私にこうつぶやいた。


「放課後、帰らずに教室に残ってて。忘れずに。」