社会問題小説・評論板
- Re: 銀色に燃えるキャンドル ( No.2 )
- 日時: 2014/03/01 09:27
- 名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)
(…あ、そろそろ 時間)
「おーい!皆 時間だよー!!」
あたしが叫ぶと、皆どたばたと 階段を下りてくる
「ゆうきが学校行く気ないって」
翔太があたしに告げた
「えー!わかった 部屋見に行ってみる」
あたしは頷いた。
ちなみに両親は共働きで、「たまーに」ご飯を作り置きしてくれるぐらいで、ほとんど、あたしたち五人がいろいろやっているんだ。
とりあいず優希の部屋に向かう。後ろから翔太も来ているふうだった。
「ゆうき?どうしたの〜?」
入るよーとノックして いいよ と返事がきたので入ってみると
「俺・・休むわ」
と 疲れ切ったような顔をして 優希が言った
「は?どうしたの?」
紙きれと顔を合わせては ため息をついた
「あ、くるみ。こいつ朝から 今日の学校の給食が おしるこだってだけで、仮病使ってるだけだって」
と、後ろから、翔太が入ってきた。
「おい!しょうた!!何ほんとのこと言ってんだよ!!」
「あははー!ほんとって自分で認めてやがる」
翔太が 嫌味に笑う
「ああ、そういうこと。」
あたしは、はははと笑って 優希に言った
「そんなもん 減らせばいいのっ!!」
優希は、こくこく頷いて、そばにあったランドセルを背負って 玄関に走っていった
「ほら しょうたもいこ」
「うん」
ランドセルを背負って翔太も後ろからついてきた。
——
ただ、この家
ただただでかい。
玄関から子供部屋って 結構な距離があって。
「くる、全員集合したよ」
玄関にいくと、しっかり者の、次女の柚香が居た
「ゆず、ナイスだね!」
小梅もにっこり笑った。
「じゃあ 行こう!」
(六時二分 きょうもいつも通り出発)
そばの公園の時計を見て、あたしは頷いた
——
五人で登校していると、声をかけられた
「ゆずか おはよう!」
(…あたし くるみ…なんだけど)
「あ、ゆずかはこっち!あたしはくるみ。」
こういうこともしばしばある。
でも、あたしは小梅とは似てない。
くるみ&ゆずか&翔太は似てる
小梅&優希は似てる
「くるみー!」
今度は あたしの知ってる顔だ
「だーれだ!」
目をふさがれ
「えっ!」
でも 誰かわかる 声で。
「ルリ!」
スグにあてた
「そうだよー!おっはよ〜」
大親友のルリ。
「だーれだ!」
そしてまたもう一人に目をふさがれた
でも 誰かわかる 手が暖かいの。
「塔花でしょ?」
こっちも大親友、とうか。
「そうだよー!」
あたしたちは 三人でニッコリ笑った。
そのまま 急な斜面をあがっていく
「ぎゃー!おちるぅ〜〜」
と、いきなり後方を歩いていた小梅に 腕を掴まれ、あたしまで声を上げる
「ぎゃー!!」
「ちょ!うめ!くるみ!」
そのまま ルリと塔花が引き上げようとするが 結局二人とも 落ちそうになる
「滑る!!助けて!!」
ルリが後ろで声を上げた
「おまえら…しゃべってるからそうなるんだろって!」
小梅とあたしの背中を押して、優希と翔太がこの状況を変えてくれた
「あ、サンキュ、しょうた&ゆうき」
と ルリが軽く言った
「ばーか 気をつけろっての」
セットにされたのが嫌だったのか、二人は道の真ん中で、どっちが助けたかで、蹴りあいを始めた。それこそ 二人は滑り落ちていく。
「…はあ つかれる」
小梅がひとこと言った
この登り坂、足に神経を研ぎ澄ませないと 本当に落ちるんだ。
なんたってここ、田舎町。
毎朝5時に(少なくともあたしだけ)おきて、6時出発をめどにする。
登校にかかる時間は 最短で1時間なんだけど それは走ったらの話。
あたしたちは歩くのが遅いから 結構時間を取って 余裕もって行っている。
—————
「もも、広哉 25分になったら、廊下に並ばせて」
先生があたしの隣をすり抜けて、学級委員であるふたりの元に声をかけると すぐにそそくさと出ていった。
「あ、くるみちゃん…」
あたしは 後ろに遥が居ることを知らずに ぼんやりしていた
「く、くるみちゃん!・・・・くーるーみちゃん!!」
「な、なにっ!」
大声で言われて、あたしは振り返った。
「…なんか ぼんやりしてたから 声かけてたのに、何回言ってもぼけっとしてるから」
と、遥が笑った。
「あ、ごめん」
平謝りすると くすっと遥が笑った
「ほら 速く並ぼう。今日、体育館で交通指導感謝の日だよ。ももちゃん怒っちゃうよ」
横を向くと、学級委員である ももが、廊下にならんで!と必死に言っていた
「…そうだね。」
あたしは頷いて、廊下に出た。