社会問題小説・評論板
- Re: 神様のいじわる【オリキャラ募集中!】 ( No.11 )
- 日時: 2015/01/17 18:29
- 名前: ちほりん (ID: lSjkm3fN)
第三話 仲間と先生(紗百合視点に戻ります)
「おはようございまーす。」
「あら。おはよう。」
私に笑顔で返事を返してきたのは、担任の白雪 百合先生。私の行方不明の姉と、同姓同名。
「先生。おはようございます。」
この声は、扇町さん。さっきのことが嘘だったみたいに普通に席につく。
「あのっ……」
「…………」
私と莉愛で話しかけようとするけど、無視される。
「ねー、この教室、幽霊でもいるの?私の耳元で声がしたんだけどー」
…………え?
「え〜、なにそれー!こわーっ!」
そう言ったのは扇町さんの心友、妃毬だ。
「てゆーか、この机、要らなくない?」
ガンッ
扇町さんはそう言うと、私の机と椅子を蹴り飛ばした。
「莉愛ー。亜燐ー。それと男子ー。この机と椅子、ベランダから落としていーよ。」
妃毬……?
「ごめん」
莉愛は小さな声でそう言って、私の横を通って亜燐と一緒に私の机を運んだ。
「あ、私、委員会の仕事思い出しちゃった。妃毬ちゃん、また今度ね。」
莉愛……!
(ありがとう)
私は口パクで莉愛に伝えた。
莉愛は答える代わりにウィンクをして教室を出た。
「まー、いーや。男子と亜燐だけでも机運べるでしょ?」
扇町さんがそう言うと……
ガシャンッ
大きな音をたてて私の机と椅子がベランダから落ちた。
「うっわ〜。紗百合。あれでどうやって授業するの?」
扇町さんの言葉に続いて、皆が、笑ったり、話したり。
「華恋〜」
ミーシャが、遅れて入ってきた。
「あれ〜?どうしたの?」
まだ、この状況を理解してない様子。
「あんたは黙っててよ。」
「華恋〜。仲良くなれない子は、要らないんだよ?」
「ッ………」
ミーシャがそう言うと、
「このクラスはうるさいのしかいないの?ミーシャ、あんたもいじめよっか?」
「は?黙ってろよ。世間知らずの悪者おじょーさま。」
その声は、このクラスで唯一扇町さんに反抗してける、時雨だった。
前に、このクラスで喧嘩的な何かがあっても、ほとんど、時雨が止めていた。
「どうしたの?」
ここで、先生登場。
「早く席について〜」
先生は、分かってないの?
「あら?紗百合さんの机は?」
先生、気づくの遅いよ。
「知りませーん。」
扇町さんが、答える。
「あっれー?おじょーさまが捨ててなかった?」
「私は別に……ッ」
「はーい!私、見ましたぁ!紗百合さんが、自分で机と椅子を捨ててるのをー!」
妃毬のこの一言で、教室がまたざわめいた。
「あー、確かに。」
「自分で捨ててたよねぇ……」
扇町さんにいじめられたくないみんなはこんなことを言ってる。
「すみませーん!遅くなりました!」
莉愛が、机と椅子を引っ張って帰ってきた。
「あ、この机、先生が要らないって言ってたから、貰ってきました!」
莉愛、ナイス!
「でも、このクラスは……」
妃毬はそういい、数を数える。
「……29、30、31人しかいませんよ!?机と椅子も、数がぴったりあってます!」
妃毬は、私のことをカウントしてない。このクラスは32人のはずだから。
「妃毬さん。よく数えて。32人いるわよ。」
先生が、妃毬に言う。
「あっれー?ほんとだー?おかしいなぁ。やっぱり幽霊でもいるのかなぁ?」
妃毬は、全然受け入れようとしてない。私を、“いない存在”に、してるんだ。
「妃毬もさ〜そういう子は、要らないんだよ〜ウフフ 〜」
「そういうあんたも、要らないけどね。」
妃毬は、やっぱり聞いてくれない。
「……とりあえず、パソコンルーム行きまーす。」
先生は、やっとこの状況が分かったのか、教室を出ていった。