社会問題小説・評論板

Re: 私はあなたが嫌いです。【オリキャラ募集中】 ( No.3 )
日時: 2015/02/06 16:32
名前: とらじ ◆9g4.dY7mOk (ID: tDifp7KY)
プロフ: 元・ちほりん(。・x・)ゞ♪



第一話【臆病な自分】


「百合ぃ〜。代わりに、掃除やってくんない?」

「うちら塾あるんだよね〜」

「うん。…………いいよ。」

「本当!?ありがとうッ!助かるわ〜」

「んじゃ、これからも掃除ヨロ♪」

この頃の私は、とても内気で大人しくて友達がいなかった。
でも、唯一私に“友達”として、接してくれる子がいた。

「百合!大丈夫!?」

「黄泉…………」

「私も掃除手伝うから!」

いつもいつも迷惑かけてばっかり。

私って、ほんと、駄目だなぁ……

「百合。我慢なんかしなくていいんだよ?私はいつでも味方だからね!?」

「ありがとう……」

いいや。とっとと終わらせちゃお。

「私ッ、窓拭いてくるね。」

「うん。」

私は迷惑をかけているのは分かってるけど、まずは簡単な窓掃除から始めた。

「…………!」

あれは、夏蓮!

……と、取り巻きたち……

何で?

帰ったんじゃないの?

どうして、まだ、校門に?

「百合。どうしたの?」

「夏蓮たち、帰ってない。」

「じゃあ、塾は……!」

「嘘、だよ。」

夏蓮、帰らないなら掃除ぐらいやればいいのに。

めんどくさいなら、取り巻きたちにやらせればいいのに。

馬鹿みたい。

「百合。私たち、裏口から帰ろう!」

「黄泉?」

「いーよ。やらなくたって、あいつらの責任なんだから。」

黄泉……!

「ありがとう」

「?」

「何でもない。」

黄泉、いつも、ありがとう。

こんな臆病で内気な私を変えてくれたのは、黄泉、あなたしかいない。





「百合。私たち、いつでも友達だからね。」

「うん!」

私たちは、裏口で別れ、別々の方向へ帰った。

なるべく、校門から見えないように、歩いて、家につく。

私が幸せを感じられるのは、黄泉といるとき、家にいるとき。

家につけば、優しい兄と優しい親がいるから。