社会問題小説・評論板
- Re: 愚かな女王様の制裁 ( No.1 )
- 日時: 2015/12/07 17:47
- 名前: 雪 (ID: c07RIgum)
そして、事件は幕を開けるーーーーー。
「ちょっと、遅いじゃないの。もっとスピード出しなさいよ。
前の車抜けばいいのよ、ほらさっさと抜きなさい。隣空いてるんだから」のろのろと走る
車にイライラした私は、運転手を睨みながら言った。
「すみません、咲良様。前の車を抜くという行為は致しかねます。」そこまで言った運転手は、更に続けた。
「車に乗っている方に大変失礼ですので」
「なによ」私は運転手を怒鳴りつける。
「私の言う通りにしなさいよ。ああ、全く朝から不愉快になったじゃない。全部あなたが悪いのよ。
責任取ってよね」
そうこうしているうちに車は学校へ到着した。私はわざとらしげにため息をつく。
私は、実は月初めのこの日が好きだ。地獄に墜ちる、少女達を見ていれるからだ。そんなことを考えていると、
足取りも自然に軽くなる。
「誰...あ、おはよう、さっちゃん。今月、誰だろうねー。私やさっちゃんじゃないといいんだけどなぁ」
彼女は私の友達、香月涼。私のことをさっちゃんと呼んでいる。ダサくて嫌だけど、そういった内容のことを言うと涼は怒って「絵梨様に言うよ?」と言うから、言わないだけ。
涼は京極絵梨のNo.1の取り巻きで、絵梨のお気に入りだからきっと信頼性も兼ねているのだろう。
玩具になんかされたら大変だ。
傷がそこかしこにできて血が出て髪を切られて...想像もつかないような日々だろう。
27、28日も耐えなくてはならない。まだ誰も死者は出ていないものの、いつ殺されるかわからない。
「お早う御座います」ぼうっとしていた私は驚き、少し遅れて頭を下げる。
「お早う御座います!」
「お早う。みんな来てるわよね?...休みは居ない様だから、涼、進めて」涼は、マイクを受け取り、長い黒髪を揺らした。
「はぁい。香月涼でーす。
では早速ですが、今月、2015年6月1日から1ヶ月間玩具になる人間をを発表致します。
静かにしてくださーい。ではぁ、発表しまぁす」
皆が一斉に緊張する。私も少し身構えた。
「今月の玩具はぁ...1年3組、山ノ内咲良でーす」
...私?
嘘.........。
唖然とする私に追い討ちをかけるように、涼たちは喋った。
「では、玩具を決めた涼、理由を説明してちょうだい」
「はぁい。私が咲良にしたのはぁ、いつも自分勝手でぇ...女王様みたいな振る舞いをしててぇ、
うざいからです」
心の中でそんなことを思っていたなんて。何千回謝ってもいいから玩具になんかされたくない。
絶対にーーーーーー。
