社会問題小説・評論板

Re: 愚かな女王様の制裁 ( No.16 )
日時: 2015/12/21 17:02
名前: 雪 (ID: knWr5sbP)




無造作に咲良の机の上に置かれた、綺麗なノート。ただの自主勉強のノートかと思ったら





ーーーーーーーーーそれは、
遺書だった。
絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に、絶対に咲良を死なせてはいけない。私の大切な親友を...


殺してはいけない。

私は愕然とした。私のことなんてこれっぽっちも信頼してない。それは、美里という子が自殺したことへの
『償い』によって生きている咲良の心。
私は読んだ。


私は泣いた。こんなことを思っているなんて。私のことなんてこれっぽっちも信頼してない。
助けてあげたつもりになってる私は、自己満足じゃん。

私は書いた。
咲良のボールペン。黒い文字がノートの紙に書き込まれていく。

山ノ内咲良へ

私は、私は咲良のことを助けてあげた気になってた。でも咲良はそんなこと思ってないよね。ごめん。

助けてもあげられなくって、逆にいじめてまでいる。
傷を増やしてるのは私じゃん。なのに助けてあげた気にさえなってる私が大っ嫌い。

絶対に死んじゃダメだよ。これは私が言える最後の言葉。私はこれからも咲良をいじめる。
私は弱いから、みんなから嫌われることが怖かった。今でも怖い。
自分は助けてもあげられないくせに、ただの傍観者のくせに、こんなこと書くなんて恥ずかしい。

逃げたっていいんだよ。でも絶対に、涼や先生や皆のために死んじゃダメだよ。



咲良、ごめんね。

京極絵梨


こんなことを書いたって何のためにもなりゃしない。私は気づけなかった。

もしかしたら、死ぬつもりでいるのかもしれない。もしくは、美里という子への償いのために、
死ぬまで玩具でいるつもりなのかもしれない。

私は絶対に逃げてはいけない。絶対に逃げてはいけない。