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社会問題小説・評論板
- Re: 愚かな女王様の制裁 ( No.17 )
- 日時: 2015/12/22 18:50
- 名前: 雪 (ID: knWr5sbP)
「絵梨様、は?」「わかんなーい」「どうしたんだろうね、絵梨様。」「二時間目になっても来ないだなんて」
正直私もわけがわからない。普通なら絵梨は一、二を争う程に早く学校に来る。遅くても三、四番目。
二時間も遅れてきたことだなんて、一回だってなかった。
担任は、こんな日に限って、まだ一度もしたことが無い休み。こんな時期に珍しく、インフルエンザだそうだ。
私たちは一年一組の担任から命じられ、自習だった。だがみんな、好き勝手なことをしている。喋ろうがうるさか
ろうが、どうでもいいようだ。みんな絵梨のことについて喋っていて、勝手な想像を繰り広げていた。
「病院にでも行ってるんじゃないの?」
「いやー、それだったら先生が言うでしょー。遅刻だと思うよ?お嬢様だろうが、進学校に通ってようが
遅刻くらいはするわよ」
「そんなわけないでしょ?だって絵梨様はこの学校の女王様。遅刻なんかするわけないじゃん、ねー由佳ちゃん」
「私もそう思う。」
「遅刻だと思うのは、紗奈がよく遅刻するからじゃない?絵梨様だから許してくれるけど」
「あはははっ」
それより。
ノートに走り書きされたあの文面はなんだ。
私は絵梨のことなんか眼中にないんだもの。だって絵梨は弱い。
私は少しずつ、壊れていっているのかもしれない。
もしかすると、涼に壊されたのかもしれない。
心を。
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