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社会問題小説・評論板
- Re: 愚かな女王様の制裁 ( No.2 )
- 日時: 2015/12/09 19:46
- 名前: 雪 (ID: c07RIgum)
「嘘でしょ...涼!涼!」
「はぁ?あたしたちに散々偉そうにしてたくせに、よくそんなこと言えるわね。
だって、あんただって皆を虐めてたんでしょ?報いを受けるべきよ。
それに、絵梨様の命令にはーーーーーーー誰も逆らえないのよ」
血...私の記憶の中にある血は、絶対に他人の物だった。私は血なんて出さない、私はいじめられたりしない。
「じゃあ早速開始ね」絵梨、いや絵梨様と呼ぶべきだろうか。絵梨様が言うと、皆帳尻を合わせたかのように私から離れた。
「ねぇ、ごめん、涼。涼、ごめん。ごめん。土下座でも何でもいいから、許してよ...。
お願いだから、お願いだから...許して」
必死に謝っても謝っても、涼は私を無視した。中心にいた私から人間がどんどん去っていく。
お願いだから、私を無視しないで。
ひとりが、こんなにつらいなんて...知らなかった。
「ねぇ咲良さん、あなたは謝れば済むと思ってるのかしら。
ねえ、皆」
そこには、今まで私が散々虐めた人間達。いつもの嫌われメンバー。
「私はーーーーー私は、咲良が...咲良が大嫌い。」
「いつも絵梨様に気に入られようとして...媚びてて」
ーーーーーーー大嫌い。
あの人間達は『大嫌い』と言ったではないか。
「ごめんね、みんな」
そう呟いたけど、そんな気なんかさらさら無かった。
こんな愚かな人間達に、頭を下げることなんかできない。
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