社会問題小説・評論板
- Re: 愚かな女王様の制裁 ( No.26 )
- 日時: 2016/01/04 14:33
- 名前: 雪 (ID: dP9cSz6y)
*遺書*
暫くのあいだ放っておいてしまっていたので、そろそろ家庭のことも書いておこうと思う。
*
「お母さんは、どうして私のことが嫌いなの?」
「私だって構われたいよ」
ずっと思っていた、こと。構ってよ、お母さん。なんで私が嫌いなの。
「お母様、どうして私のことが嫌いなの?」
小さい頃の私は、最悪なタイミングで聞いてしまった。お母さんはかなりイライラしていて、ああもう、と言っていた。
「うるさい!どこかに行っていなさい!」
そう言われてしまい、いつも可愛がられている姉の菜花に聞いた。ななちゃんは元々病弱で、私は漫画に出てくる
ような病弱なお嬢様なんかじゃなかった。だからだ。
「さっちゃんはかわいがられようとしないからじゃない。仮病でもすれば構ってくれるよ」
じゃあ、仮病を使おう。私は、咳をし始めた。すると、
「咲良!」
「どうしてあんたはこんな時に風邪なんかひくの!全く、もう知らないからね!」
と怒られてしまった。どうすればいいの?
二日後に理由がわかった。私が放っておかれて、お姉ちゃんーーーーー姉のななちゃんに。
私とは、まるで立場が違うのだ。
「お母様、風邪気味だから学校にいけない」
姉が言うと、お母様は困った顔をしたあと、笑顔に戻った。
「あら、大丈夫ななちゃん?大丈夫よ、学校なんか休んでしまって。寝て、安静にしていれば治るから」
「ありがとう、お母様」
そんなことが繰り返される度に姉がかわいくなって、私がお母さんの眼中から外れていくんだ。
「ななちゃん、もう風邪なんかひかないでよ!ううんーーーーーーお母様にかわいがられないで。
ななちゃんは私がきらいなの?」
私は泣きたくて、泣かないようにするため、大嫌いになってしまった姉に言った。
ー私はかわいがられたくてかわいがられているんじゃない。
最悪な答えだと思いませんか。
「私にはわかる!」
「どうして、あんたなんかに分かるのよ。私は、私は、かわいがられたいんじゃない!かわいがられたいんじゃない!」
長い髪を振り乱し、大声で泣き始めたななちゃんはお母様にこのことを言いつけた。
ーさっちゃんがね、ひどいことを言ったの。
ななちゃんはお母様に気に入られようとしているって...
「咲良!ダメじゃないの、そんなことを言ったら!ななちゃんが傷ついてしまったじゃない!」
「私はそんなこと言ってない」
真実を告げても、彼女は信じなかった。
私はこの日から、母に決定的に嫌われた。
