社会問題小説・評論板

Re: 愚かな女王様の制裁 ( No.27 )
日時: 2016/01/05 19:14
名前: 雪 (ID: dP9cSz6y)





ー失敗しちゃダメよ。
あたしがそう思えばそう思うほど、できなくなるの、あたし、知ってたでしょ?

だって、こんなに失敗しちゃったんだもの。こんなヤツ、誰が受け入れてくれるっていうの。

「た...立...立川......真美.....立川真美です........よ...宜しく...お願い致し......ま...す..........」

「もうちょっとはっきり言ってよねー」
酷い言われよう。もういじめられるの確定ね。耐えなきゃいけないんだろうけど、バイトで借金を返し終わるまで
耐えなきゃいけない。

あたしの家はもともと、まあまあ裕福なはずよ。だって、町一番の大きな、立派なマンションに住んでいるんだから。

あたしはひとりじゃなかった。みんなはばらばらに行動していたから、みんなひとりぼっちだったの。
ひとりぼっちで本を読んで過ごす。トイレに行く。そんな平凡な事だけしていて、お喋りなんか誰もしていなかった。

ひとりで休み時間を過ごし、ひとりでお弁当を食べて、それで終わり。
部活の人が多いから、あたしになんか誰も構わないんだろうな。そう安心して帰ったけど...

「真美さん一緒に帰らない?」

「...あ、ごめん...ごめんなさい。バイトがあるから...すみませんっ」



「つまんないヤツ」
誰かが呟いたのをあたしは知っている。聞こえてしまったんだから。

やっぱりいじめ...ここでもされるんだろうな。辛い。お弁当ひっくり返されたり、今までされたことを。


痛くないのならいいけど。精神的苦痛だけならいい。だって、疑われないし。いじめられてるって。

あたしは家に帰ったあと、誰もいない大きな、大きな部屋を見て泣いた。


バイトに行かなきゃ。そう思ってもなかなか行けず、遅刻したけど怒られなかった。あたしはそこそこお金持ちだから。
よかったーーーーーそう思いながら、バイトを終えた。