社会問題小説・評論板
- Re: 愚かな女王様の制裁 ( No.28 )
- 日時: 2016/01/06 12:22
- 名前: 雪 (ID: dP9cSz6y)
これは、今日の話...
「真美ー、早くバイト行かないと、給料貰えないわよー」
「真美さっさと行け!」
そういうお母さんたちはどう?あたしが働いているのをいいことに、カーペットにごろごろして、寝てばっかりじゃない。
高校は義務教育じゃない。行かなくてもいいと思う。お母さんたちもそれは流石に知っているでしょう、大人だもん。
お母さんたちは、あたしを苦しめている。分かる。だってそうじゃん、お母さんたちは高校に行ってないんだもの。
「だって行きたい高校がなかったんだもん」
お婆さんは資産家だったでしょう。お母さんに引っ越しをして、高校に行くのを勧めてたでしょ。拒絶したのはお母さんでしょ。行きたいんだったら引っ越しなさいよ。あたしは本当にもう少し、裕福だったらな...と思った。ワンランク上のお嬢様学校はいじめなんてなかったもん。
怒られなくて、給料もちゃんと貰えたからあたしはご機嫌だったけど。
これは、今日にとっての明日の話...
「真美さぁん?ちょっといいかしら?」
「涼様が待ってるのよ?あんただってわかるんでしょう?いじめがあるの」
「女王様相手に遅刻なんて、最悪だからね。運が悪ければ殺されてしまうかもしれないのよ?」
「い...嫌ですっ。行きたくありません...」
「奴隷に何かを決める権利なんかないのよ?ほらさっさと来て」
「嫌です」
あたしは完全無視を決め込むことにした。すると後ろから...
「奴隷はさっさと体育館に行け!」
と、蹴飛ばされた。痛い。なんだこの痛みは。最悪だ、今までの学校の中で最悪だ...。
「遅いわよ?真美さん。咲良はちゃんと来たわ。でもあなたたちにも非があると思うわよ?結実、優花」
「申し訳御座いませんでした。こいつが嫌だとか言って、ねえ?」
「えぇ。嫌です、行きたくありません、ってねぇ。酷いわ、本当」
「...そ...そんな事言ってません!証拠でもあるんですか!」
あたしはあえて強がることにした。それなら、標的をその咲良とか言う人に押し留めることが出来るんだもん。
でもそんな事は出来ない。所詮、こんな奴が考える作戦だもんね。
「あぁら、証拠ならありますわよ?だって...ほら」
優花が何かをポケットから取り出す。それは小さな録音機。
『「真美さぁん?ちょっといいかしら?」
「涼様が待ってるのよ?あんただってわかるんでしょう?いじめがあるの」
「女王様相手に遅刻なんて、最悪だからね。運が悪ければ、殺されてしまうかもしれないのよ?」
『い...嫌ですっ。行きたくありません...』
「奴隷に何かを決める権利なんかないのよ?ほらさっさと来て」
『嫌です』
ピッ
「こんな事を言うなんて...最低!」
「じゃあ...咲良さん?決めてもらうけどぉ」
「真美さんが標的になればあなたは死なずに済むのよ」
「わかりました。真美に標的を変更して下さい涼様、お願い致します」
...驚いた。同級生に土下座をするなんて。...いとも、簡単に。
「じゃ、あ、標的は真美さんに変更ね。立川真美。よろしくー」
「はい、涼様」
地獄のはじまり。
