社会問題小説・評論板

Re: 薄桃色のカーネーション〜幸せの花束〜 ( No.3 )
日時: 2016/02/14 14:37
名前: ニンジン×2 (ID: z/mcMK1B)

第三話 さよなら……麻衣……。

麻衣は病院に着くと、直ぐに集中治療室へ移された。

「麻衣……どうか……どうか無事で……いて……」

私は胸に手を置き、曇った空を見上げながら願った。

数分後、麻衣の両親らしき人が来た。

「貴方……麻衣がいつも言ってる……凛ちゃん……?」

「はい……そうです……」

私は二人顔を見る事ができなかった。

だって、私がコロンを落としてしまったから。

私が轢いたわけではないのに、なぜか、罪悪感があって。

二人の事を考えると、とても苦しかった。

その後、医者から麻衣の状態の説明があった。

「簡単に言うと、麻衣さんは強く頭を打ってしまって、外傷性くも膜下出血を起こし、大量出血してしまいました。出血は止められましたが、血圧が急激に低下してしまったせいで、心肺停止状態です。つまり、自力で呼吸も出来ません。今は、人工呼吸器や人工心肺などの精密機械で生かされているようなものです。回復は絶望的で、良くても植物状態だと思って下さい。私達も全力を尽くしますので」

お医者さんはそそくさとそう言って、直ぐに集中治療室へ行ってしまった。

“回復は絶望的”

その言葉が心に思い切り突き刺さった。

麻衣……頑張れ……。

そして1時間ほどしただろうか……。

医師がまた来て、小声でポツリと呟いた。

「脳幹機能も停止しました。脳死です。18時56分に麻衣さんは亡くなりました。」

「は………?」

私は泣かなかった。

だって、信じられなかった。

いや、信じたくなかった。

小学一年の時から一緒だった麻衣が……私より先に死ぬなんて……信じない!

そしてまた少し経ってお医者さんが来た。

「麻衣さんに繋がっていた管を全て外しました。ご両親に凛さん。集中治療室へ……」

お医者さんに案内されて、集中治療室へ来た。

「麻衣……?麻衣……?」

麻衣は静かに微笑んで眠っている様だった。

「ないない。眠ってるだけだよ……ね……?」

私は怖くなり、麻衣の頬をつねったり、肩を揺さぶったりした。

それでも何も……反応しなかった。

「麻衣っ!?麻衣ーーっ!?」

私は大声で叫んで叫んで叫んだ。

もう声が出なくなるかと思うくらい。

それでも麻衣は反応しなかった。

私は分かった。

麻衣は死んだ。

もう会えない。

一生会えない。

あの元気な麻衣が……死んだんだ。

目から大粒の涙がこぼれ落ちた。

麻衣の顔が、滲んで見えた……。

さよなら……。

麻衣………っ。

×××××

安ちゃんへ

少し話の内容が変わってしまったので、4話も私が書きます。その代わり、5・6話は安ちゃんが書いてください。5・6話は月曜日学校で相談しましょう。日曜日は、ナイチンゲールや悪口日記、お願いします!なんかすみません。なんか、医療について詳しくなってゴメン……。お父さんに聞いたら、面倒くさい話をゴチャゴチャされた……。