社会問題小説・評論板
- Re: いじめ〜負けないココロ〜オリキャラ募集 ( No.62 )
- 日時: 2016/09/17 03:58
- 名前: 灰桜 (ID: jkT.oUcJ)
>>病み里さん
僭越ながら続きを書かせていただきます
本多side
暇だしそこら辺を歩いているとこれまた可哀想な『いじめ』の現場が
よく見たら被害者はあの子じゃないか
実に良くあるチンケなマンガだったら『止めなよ』なんて言って主人公無双が始まるけどね
だけど僕は敢えて『ビビリな本多光希』を演じて言った
「ぼ、僕はい、いじめ反対です…」
そう演じると性格が悪そうな女子が僕を見て笑う
「は?あんた、弱っちいのに、こいつの味方?マジ笑える!しかも、あんた、男だよね?なのに、男の娘?」
うん。僕は確かに男だけど?それに弱っちい?
あぁ、忘れてた。こいつら僕の『本性』知らないんだったや
まぁいずれ君達『加害者』には地獄を見てもらう予定だから今のうちに笑わせておこうかな
オモチャは高い所から落とした方が面白いしさ?
とか考えていたら殴られちゃった。
うわぁ、容赦しないなぁ。もっと女の子らしくしたら?僕の方が女子力あるよ?
まぁ痛くないけど。
「本多君!」
いやいや、自分の心配しなよ。
「これくらい平気…」
本当だったら『ねぇ今どんな気持ち?』くらい煽りたったけどだまっておこう。これ以上面倒事起こしたくないし
「ちっ!萎えた!」
そう吐き捨て、ちょっとした集団とその場を後にする加害者の皆さん
せめて僕殴った事謝れよ…
まぁそんな感じでイライラしていると「いた!大丈夫だった?」と明るい声が向こう側から聞こえる
ええと…確か…笠原さんだったっけ?
その声に返事をするようにあの子が頷く
その顔はどこか安心しているようだった
「良かった〜助けられなくてごめんね!」
『助けられなくて』って事は彼女もあの子の味方なのかな?
「あれ?光希君?」
今更気づいたのかよ…殴られたから結構目立っていたんだろうけどなぁ
「こ、これ…良かったら…」
いつの間にかハンカチを濡らしてきてくれたようだ
うわぁ…僕なんかより気が利くなぁ…
ハンカチを殴られた頬に宛てがうと、ひんやりとして傷に沁みる
「うう…怖かった…」
嘘だけどね
「なーんてね…平気だよ?あ、僕はね、加害者にはなりたくないんだ」
…本性が出ちゃった…まぁ後々皆さんにお披露目する予定だけど今はその時じゃないだろうし何とか取り繕わなきゃ
「…あ、ごめん…な、なんでも…あ、ありがと…これ…洗って返すよ…」
自分で言うのもなんだけど支離滅裂だなぁ
もちろん洗って返すに決まっているじゃん。そのくらい常識弁えてるつもりだよ
「じゃ、僕は先に教室に戻るね…」
怖がった振りをしながら二人の元を去るが行き先は教室ではない
階段を上がって、さらに上がって、その先の重たい鉄の扉を開けるとふわりと柔らかい風が吹く
重たい鉄のドアを閉めて近くの貯水タンクに身を隠し制服のポケットに手を突っ込む
ポケットから手を引き抜くと僕の手は銀色の長方形をした機械をつかんでいた
ボタンをカチカチ操作しているとその機械から声が流れる
「クズ!がっこーくんな!お前なんか、いなくなればいいんだよ!」
「お前はひつよーねーんだよ!」
「は?あんた、弱っちいのに、こいつの味方?マジ笑える!しかも、あんた、男だよね?なのに、男の娘?」
そう、全て、さっきのヤツらの声だ
「ははっ…バッチリ撮れてるや」
どうしよう…笑いが止まらない
一時の愉悦に身を浸らせ、自分が優越感を得ている高台が処刑台だと言う事にも気づかず
自分が他人の掌踊らされているのにも気づかない
そんな愚か者の姿はさぁ、実に滑稽で笑いが止まらないだろう?悪趣味?人間として最低?
他人の不幸は蜜の味
それに『人間として最低』なのはどっちだい?
暫く僕は狂ったように笑っていたがその目から涙が出ることは無かった
「さて…戻ろうか。」
重い腰を上げてまたあの扉を開けて地獄の様な教室へと戻る
まだだ…まだ足りないんだ
アイツらを叩きのめす『証拠』が
だからもっと集めなきゃ。